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体脂肪率30%は高い?BMIとの違いや数値の見方、健康との関係を解説

家庭用の体重計や体組成計で「体脂肪率30%」と表示されると、「高いのではないか」「健康に問題があるのではないか」と気になる方もいるかもしれません。

体脂肪率は、体重に占める体脂肪の割合を示す指標です。ただし、体脂肪率だけで肥満や肥満症、生活習慣病の有無を判断することはできません。

この記事では、体脂肪率30%という数値の見方やBMIとの違い、体脂肪率が高くなる背景、健康状態を考えるときに確認したいポイントについて解説します。

この記事でわかること
  1. 体脂肪率30%の捉え方
  2. BMIとの違い
  3. 健康リスクと対策

体脂肪率30%はどう評価する?

「体脂肪率30%」という数値の捉え方は、性別や測定方法などによって異なります。

体脂肪率は体組成を知るための参考値の一つであり、医学的な「肥満」や「肥満症」の診断基準そのものではありません。まずは、体脂肪率という指標の位置づけを確認していきましょう。

体脂肪量増加の目安:成人女性30%超・男性25%超

体脂肪率は、成人女性では30%超、成人男性では25%超が体脂肪量増加の目安として紹介されることがあります。

ただし、医学的に統一された診断基準ではなく、測定方法や年齢などによっても評価が異なります。

肥満や健康状態の判定には、BMIや腹囲、健康診断の結果などを合わせて確認する必要があります。

「肥満」の判定には体脂肪率でなくBMIを用いる

日本では、医学的な「肥満」の判定には、体脂肪率ではなくBMIが用いられます。

BMIは、以下の式で算出します。

  • BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)

日本肥満学会では、BMI18.5以上25未満を「普通体重」、25以上を「肥満」としています。そのため、家庭用の体組成計で体脂肪率30%と表示されても、BMIが25未満であれば、日本肥満学会の基準では「肥満」には該当しません。

▶BMI計算ツール

肥満・健康状態の判断に関わる要素
Geminiで生成した画像を元に作成

体脂肪率が高くなるのはなぜ?

体脂肪率は、体重に占める脂肪の割合です。ここでは、体脂肪率が高くなる主な背景について見ていきます。

筋肉量の減少で体脂肪率が上がることがある

体脂肪率は、「体脂肪量÷体重×100」で表されます。

そのため、体脂肪の量だけでなく、筋肉など体脂肪以外の組織の量によっても数値は変わります。身体活動量が少ない状態が続いたり、加齢などによって筋肉量が減少したりすると、体重に占める脂肪の割合が相対的に高くなることがあります。

摂取エネルギーが消費エネルギーを上回ると体脂肪が増える

食事などから取るエネルギーが、身体活動や生命維持などで消費するエネルギーを継続的に上回ると、余ったエネルギーは体脂肪として蓄積され、体重や体脂肪量の増加につながります。

体重や体脂肪の変化には、食事全体の量や内容、身体活動量など、さまざまな要因が関係しますが、菓子類や加糖飲料、脂質の多い食品、アルコールなどを取る機会が多い場合には、摂取エネルギーが多くなることがあります。

加齢などによって体組成は変化する

体組成は年齢によっても変化します。加齢に伴って身体活動量や筋肉量が低下すると、基礎代謝量も低下する傾向があります。

また、年齢に伴うホルモンの変化などによって、脂肪の蓄積する場所が変化することもあります。女性では閉経前後に内臓脂肪が増加する傾向があり、男性でも加齢に伴って筋肉量や脂肪の分布が変化することがあります。

ただし、加齢やホルモンの変化が体組成に与える影響には個人差があります。

体重が同じでも体組成は異なる

同じ身長や体重であっても、筋肉や脂肪などの割合は一人ひとり異なります。筋肉量が少なく、体脂肪の割合が高い場合には、BMIが普通体重の範囲でも体脂肪率が高くなることがあります。

このような状態は、一般に「隠れ肥満」と呼ばれることがあります。ただし、「隠れ肥満」は正式な病名ではなく、体脂肪率について統一された診断基準が設けられているわけでもありません。

また、普通体重の範囲で体脂肪率が高いからといって、必ず健康上の問題があるとは限りません。健康への影響を考える際には、体脂肪率だけでなく、脂肪の蓄積する場所や血圧、血糖、血中脂質なども確認する必要があります。

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隠れ肥満とは?放置厳禁の健康リスクと脂肪を落とす対策を解説

体脂肪率は測定条件によって変わることがある

家庭用の体組成計では、主に「生体電気インピーダンス法(BIA法)」という方法で体脂肪率を推定します。体に微弱な電流を流し、電気抵抗値(インピーダンス)から体脂肪量などを推定する仕組みです。

この方法では、体内の水分量が変化すると測定値も変動することがあります。そのため、飲食後や運動後、入浴後などでは、同じ人でも異なる体脂肪率が表示される場合があります。

また、体脂肪率の推定方法や判定区分は機器によって異なることがあります。家庭用の体組成計を利用する場合は、1回の測定値だけで判断せず、なるべく同じ時間帯、同じ条件で測定したときの変化を見ることで、体組成の傾向を把握しやすくなります。

体脂肪の過剰な蓄積で注意したい健康リスク

体脂肪率30%という数値だけから、健康リスクの大きさを判断することはできません。一方で、体脂肪、とくに内臓脂肪が過剰に蓄積すると、さまざまな健康障害と関連することが知られています。

ここでは、体脂肪や内臓脂肪が過剰に蓄積した場合に関連する主な健康リスクについて見ていきます。

体脂肪蓄積による主な健康リスク
Geminiで生成した画像を元に作成

2型糖尿病・高血圧・脂質異常症

肥満は、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症などと関連することが知られています。特に、内臓脂肪が過剰に蓄積すると、血糖、血圧、血中脂質などに異常が生じやすくなります。こうした異常は一つだけでなく、複数が重なってみられることもあります。

ただし、これらの健康リスクを家庭用体組成計の体脂肪率だけから判断することはできません。BMIや腹囲、健康診断で測定される血圧、血糖、血中脂質なども合わせて確認する必要があります。

心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患

内臓脂肪の蓄積を背景に、高血糖、高血圧、脂質異常などが重なると、動脈硬化が進みやすくなります。これらはそれぞれ単独でも動脈硬化の危険因子ですが、複数が重なることで、心臓病や脳卒中のリスクがさらに高まることが知られています。

動脈硬化が進行し、心臓の血管が狭くなったり詰まったりすると、狭心症や心筋梗塞につながります。また、脳の血管が詰まると脳梗塞を引き起こすことがあります。

月経異常や女性不妊

肥満は、月経異常や女性不妊などとも関連することが知られています。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では、肥満やインスリン抵抗性を伴うことがあります。ただし、PCOSは肥満のない人にもみられる病気であり、体脂肪率が高いことだけを原因として発症するものではありません。

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肥満と関連する病気一覧|リスクが高まる疾患と初期症状・予防法を徹底解説

体脂肪率が気になるときの食事のポイント

食事について考える際には、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」などが参考になります。

食生活では、特定の食品だけを食べたり、極端に食事量を減らしたりするのではなく、主食、主菜、副菜などを組み合わせ、食事全体の量や栄養バランスを見ることが基本です。

菓子類や加糖飲料、脂質の多い食品、アルコールなどを取る機会が多い場合には、食事全体の中でどの程度取っているかを確認してみましょう。摂取エネルギーを把握する手がかりになります。

必要なエネルギー量は、年齢、性別、体格、身体活動量などによって異なります。そのため、全ての人に共通する「1日○kcalまで」といった目標を設定することはできません。

必要なエネルギー量の考え方については「ダイエット中の1日の摂取カロリー目安は?計算方法と食べて痩せるコツ」でも解説しています。

体脂肪率が気になるときの運動のポイント

運動は、エネルギー消費量を増やすだけでなく、健康の維持・増進や筋力・筋肉量の維持にも役立ちます。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人について、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上(約8,000歩以上に相当)、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上行うことが目安として示されています。

筋力トレーニングについては、週2~3日の実施が推奨されています。

ただし、これらは全ての人が同じ量を行わなければならないという意味ではありません。持病や関節の痛みなどがある場合には、健康状態に応じて運動の内容や強度を調整する必要があります。

同ガイドでは、個人差を踏まえて強度や量を調整し、今より少しでも多く体を動かすことが基本とされています。

具体的な運動メニューは「内臓脂肪を減らす運動メニュー8選!効果を高める条件や注意点」でご紹介しています。

BMIが25以上では「肥満症」に該当するかを確認

体脂肪率30%という数値だけで「肥満症」と診断されることはありません。

日本肥満学会では、BMI25以上を「肥満」としています。そのうえで、肥満に起因または関連し、減量を必要とする健康障害を合併している場合、または内臓脂肪型肥満と診断された場合に「肥満症」と診断されます。

肥満症は、単に体重が多い状態ではなく、医学的な減量治療の対象となる疾患です。

BMIが25以上で、健康診断などで血圧、血糖、血中脂質などの異常を指摘されている場合には、肥満症に該当する可能性があります。かかりつけ医や内科など、医療機関での相談を検討しましょう。

まとめ

成人女性では30%超、成人男性では25%超を体脂肪量増加の目安とされています。ただし、この数値は肥満や肥満症の診断基準ではありません。

体脂肪率30%だからといって、全ての人が一律に30%未満を目指す必要があるわけではありません。食事や身体活動を含め、健康状態や生活習慣全体を確認していくことが大切です。

一方で、体脂肪、とくに内臓脂肪の過剰な蓄積は、2型糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管疾患などと関連します。健康状態を考える際には、体脂肪率だけでなく、BMIや腹囲、血圧、血糖、血中脂質なども合わせて確認することが重要です。

参考資料

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監修

浦添総合病院

中田 円仁 先生

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