- 甘いものを我慢しすぎると食べたくなることがある理由
- 甘いものと上手に付き合う間食の選び方・食べ方
- 食べること以外でストレスに対処する方法
肥満症の治療や日々の体重管理に取り組む中で、甘いものを控えようと努力している方は少なくありません。しかし、甘いものを我慢しすぎることで、かえって食べたい気持ちが強くなることがあります。このような現象には、人間の心や身体の自然な仕組みが関係しています。本記事では、甘いものとの上手な付き合い方について解説します。
甘いものを我慢すると食べたくなることがあるのはなぜ?
甘いものを控えようと決意したにもかかわらず、かえって食欲が増してしまうことがあるのには理由があります。心や身体の自然な反応を知ることで、自分を責めずに無理のない対策を立てやすくなります。

人によっては、過度な制限でかえって意識が向くことも
特定の食べ物を「絶対に食べてはいけない」と強く制限すると、人によっては心理的な負担となり、かえってその食べ物への意識や食べたい気持ちが強くなることがあります。ただし、食事を制限すること自体が必ず過食につながるわけではなく、反応には個人差があります。そのため、我慢だけに頼るのではなく、食べる量や頻度をあらかじめ決めるなど、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。
甘いものなど嗜好性の高い食品は食欲につながりやすい
甘いお菓子など嗜好性の高い食品では、空腹とは別に「食べたい」という気持ちが生じることがあります。食欲は、身体が必要とするエネルギー量だけで決まるものではなく、食べ物の味や香り、見た目、これまでの経験などさまざまな要因の影響を受けます。そのため、甘いものを食べたいと感じること自体は珍しいことではありません。
甘いものと上手に付き合う食べ方のコツ
甘いものを完全に禁止するのではなく、量や種類を工夫して取り入れることが、無理のない体重管理につながります。ここでは、甘いものと上手に付き合うための食べ方のコツを紹介します。
間食に果物や乳製品を取り入れる
甘いものが食べたくなったときは、お菓子の代わりに果物や乳製品を取り入れる方法があります。果物はビタミンCやカリウムの供給源となります。また、無糖ヨーグルト、牛乳などの乳製品はカルシウムの供給源です。お菓子だけでなく、果物や乳製品も間食の選択肢として取り入れてみましょう。
量を決めて楽しむ
国の「食事バランスガイド」では、一般的な食生活の目安として、菓子・嗜好飲料を1日200kcal程度としています。ただし、肥満症の治療では、必要なエネルギー量や間食の取り方が一人ひとり異なります。医師や管理栄養士から食事について指示を受けている場合は、その内容を優先してください。なお、商品によってエネルギー量は異なるため、栄養成分表示を確認しましょう。
「食べる」以外でストレスをやわらげる習慣
甘いものを食べること以外でストレスを軽減する方法を見つけることも、食欲のコントロールに役立ちます。日々の生活の中で取り入れやすい習慣をいくつか紹介します。
十分な睡眠時間を確保する
睡眠不足は、食欲や体重管理に影響することがあります。また、短い睡眠時間と肥満との関連も指摘されています。心身の健康を保ち、体重管理を続けるためにも、自分に必要な睡眠時間を確保することが大切です。
軽い運動やストレッチで気分転換する
ストレスを感じたときには、軽い運動やストレッチで身体を動かすことも気分転換の一つです。食べること以外にも、自分に合った方法で気持ちを切り替える時間をつくってみましょう。室内でできる簡単なストレッチなど、無理なく取り入れられる方法から始めるのもよいでしょう。
ゆっくり呼吸して気分を切り替える
ストレスを感じたときには、ゆっくりとした呼吸を取り入れるのも一つの方法です。甘いものが食べたいと感じたときに、すぐに食べる以外にも、自分に合った方法で気分を切り替える時間をつくってみましょう。
甘いものと上手に付き合う考え方
体重管理や肥満症の治療においては、食事に対する考え方も大切です。自分を責めず、前向きに取り組むためのポイントを解説します。

自分を責めずに欲求を受け止める
甘いものを食べたいという気持ちは、誰にでも起こり得る自然な欲求です。そのため、欲求を感じたときに自分を責める必要はありません。我慢することだけを重視するのではなく、食べる量や頻度を考えながら、自分に合った付き合い方を見つけていくことが大切です。
食べた物を記録して把握する
自分が食べたものや量を記録することは、食生活を見直す良いきっかけになります。食事内容を記録することで、無意識のうちに食べていた間食の量や、どのような状況で甘いものを食べたくなるのかという傾向を客観的に把握することができます。把握した内容をもとに、お菓子を食べる日や量を計画するなど具体的な対策を立てやすくなります。頭で考えるだけでなく、実際に記録に残すことで自身の行動パターンに気づくことができます。
食欲や体重管理に困ったときは医師に相談する
甘いものの量や頻度を自分で調整することが難しいと感じる場合や、食べることへの悩みが強く、体重管理がうまく進まない場合は、一人で抱え込まず、医師や管理栄養士などに相談しましょう。肥満症の治療においては、生活習慣の改善をサポートするために、さまざまな専門的なアプローチが行われます。例えば、ゆっくりよく噛むことは肥満対策における行動療法の一つです。医師や専門スタッフに相談することで、こうした行動変容の技法を含め、自分に合った無理のない方法を一緒に見つけることができます。
まとめ|甘いものは我慢しすぎず、量や食べ方を工夫しよう
甘いものを過度に制限すると、人によっては心理的な負担となり、かえって食べたい気持ちが強くなることがあります。我慢だけに頼るのではなく、自分に合った量を意識することや、間食に果物や乳製品を取り入れるなどの工夫も選択肢の一つです。また、十分な睡眠をとったり、軽い運動やゆっくりとした呼吸などで気分転換したりするなど、食べること以外のストレス対処法を持つことも大切です。甘いものを食べたいという気持ちを必要以上に否定せず、食事内容を記録するなどして、自分の食べ方の傾向を把握しながら体重管理を続けていきましょう。食欲のコントロールや体重管理に困った場合は、医師や管理栄養士などに相談してください。
参考資料
- 厚生労働省「睡眠と生活習慣病との深い関係」「お菓子や間食の取り入れ方」「特定保健指導の積極的支援における効果的な行動変容につなげる保健指導の手引き」「リラクゼーション法」
- 農林水産省「「食事バランスガイド」の適量と料理区分」
- 一般社団法人 日本肥満学会「肥満症診療ガイドライン2022」
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監修
奥田 英伸 先生