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止まらない食欲はホルモンのせい?食欲が強くなる3つの要因と対処法

この記事でわかること
  1. 食欲に関わるホルモンの仕組み
  2. 食欲が強くなる3つの要因
  3. 過食を防ぐ生活習慣の工夫

食事を控えようと思っているのに、仕事の後や夜になると急に食欲が強くなり、つい食べ過ぎてしまうことがあります。こうした食欲は意志の強さだけで決まるものではなく、脳がホルモンや血糖、睡眠、ストレスなどの情報を受け取って調節しています。

ただし、「ホルモンが乱れたから必ず過食する」「特定の方法でホルモンをリセットできる」という単純な仕組みでもありません。食欲が動く背景を知り、自分を責めるのではなく、整えられる生活習慣から見直すことが大切です。この記事では、食欲を左右するホルモンの仕組みと、食欲が強くなる背景、そして今日から無理なく実践できる整え方をわかりやすく解説します。

食欲ホルモンとは?食欲を抑える・高める仕組み

「食欲ホルモン」は正式な一つの物質名ではなく、食べたい気持ちや満腹感に関わるホルモンの総称として使われる言葉です。食欲の調節に中心的な役割を持つ脳の視床下部は、脂肪組織や胃腸から届くホルモンのほか、血液中の栄養素、胃のふくらみ、においや味、感情などの情報を受け取り、空腹感や満腹感、食行動を調節しています。

食欲に関わるホルモンは、体内のエネルギーの蓄えや胃の状態などを視床下部へ伝える「メッセンジャー」のような役割を持ち、食欲を抑えたり高めたりしているのです。

食欲ホルモンとは?の説明図
Geminiで生成した画像を元に作成

食欲抑制ホルモン「レプチン」の働き

レプチンは主に脂肪細胞から分泌され、体に蓄えられたエネルギーの状態を脳へ伝えるホルモンです。視床下部に働きかけて食欲を抑える神経経路を活性化し、食欲を高める経路を抑える方向に作用します。

レプチンが多ければ多いほど食欲が抑えられるわけではありません。肥満のある人では、血液中のレプチンが多くても、その信号が脳に十分伝わりにくくなる「レプチン抵抗性」がみられることがあり、食欲を抑える働きが十分に発揮されないことがあります。

食欲増進ホルモン「グレリン」の働き

グレリンは主に胃でつくられ、脳へ空腹の情報を届けて食欲を高めるホルモンです。視床下部の食欲を高める神経経路に作用するほか、食べ物への関心や報酬に関わる脳の領域にも影響すると考えられています。

このように、レプチンとグレリンは、体内のエネルギーの蓄えや空腹の状態を脳へ伝え、食欲を調節する仕組みに関わっています。実際の食欲の調節には、このほかにもインスリン、GLP-1、PYYなど、さまざまなホルモンが関わっています。

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食欲ホルモンが乱れて食欲が暴走する3つの原因

食欲に関わるホルモンの分泌や働きは、食事の有無や体内のエネルギー状態だけでなく、日々の生活や心身の状態からも影響を受けます。ここでは、働く世代の食欲に影響しやすい3つの要因をみていきます。

睡眠不足によるレプチン低下・グレリン上昇

睡眠時間が短くなると、満腹に関わるレプチンが低下し、空腹に関わるグレリンが上昇して、空腹感や食欲が強くなる可能性が報告されています。たとえば、健康な若い男性を対象とした研究では、睡眠時間の短縮に伴い、レプチンの低下、グレリンの上昇、空腹感と食欲の増加がみられました。

また、睡眠不足による食欲の変化には、レプチンやグレリンの変化に加え、眠気や疲労、食べ物の選び方の変化など、複数の要因が関わると考えられています。食生活を整えるうえでは、食事内容だけでなく、睡眠時間にも目を向けることが大切です。

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食後の血糖値の変化

炭水化物をとると血糖値が上がり、それに応じてインスリンなどのホルモンが分泌されます。血糖値とこうしたホルモンの変化は互いに関係しながら、食欲の調節にも関わっています。

健康な人を対象とした研究では、食後0~2時間の血糖値の高さよりも、その後2~3時間に生じる血糖値の低下が大きい人ほど、空腹感が強く、次に食べる量も多い傾向が示されました。このことから、食後の血糖値の変化は、その後の空腹感や食事量に関係する可能性があります。

ストレスによるコルチゾール分泌と過食

ストレスを受けると、体はコルチゾールなどを分泌して状況に対応しようとします。食欲への反応には個人差がありますが、慢性的なストレスは食欲の調節や食べ物への欲求に影響し、エネルギー量の多い食べ物を食べ過ぎる行動につながることがあります。

また、ストレスを感じたときの食事は、つらい気持ちを一時的に和らげるための行動になることがあります。食べたくなったときの状況や気持ちを振り返ることで、空腹だけでなく、ストレスが食欲のきっかけになっていないか気づきやすくなります。

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食欲ホルモンを整えて過食を防ぐ生活習慣

睡眠、食事、運動などの生活習慣は、食欲に関わるホルモンの分泌や、空腹・満腹の感じ方に影響します。無理のない範囲で生活習慣を見直し、食欲を調節しやすい状態を目指しましょう。

過食を防ぐ生活習慣の説明図
Geminiで生成した画像を元に作成

睡眠の質と時間を見直す

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、個人差を踏まえながら、成人は6時間以上を目安に、必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。まずは、自分の睡眠の状態を振り返ってみましょう。就寝時刻と起床時刻、寝つきや夜中に目が覚めた回数、日中の眠気、食欲が強くなった時間帯などを1週間ほど記録すると、睡眠と食欲の傾向をつかみやすくなります。

最初から生活を大きく変えようとせず、帰宅後の作業を一つ減らして寝る時間を15~30分早めるなど、実行しやすいことから始めましょう。夕方以降のカフェインを控え、休日も起床時刻を大きくずらさないことは、睡眠のリズムを整える工夫になります。

血糖値を急上昇させない食事の工夫

血糖値の上がり方を穏やかにするために、炭水化物を完全に抜く必要はありません。 ご飯やパン、麺だけで食事を済ませず、魚・肉・卵・大豆製品などの主菜と、野菜・きのこ・海藻などを組み合わせると、たんぱく質や脂質、食物繊維を一緒にとれます。

炭水化物をたんぱく質、脂質、食物繊維を含む食品と一緒に食べると、血糖値が上がる速度は緩やかになるとされています。甘い飲み物を日常的に飲んでいる場合は、水や無糖のお茶へ一部を置き換えることも取り組みやすい方法です。

食物繊維は、玄米などの全粒穀物、豆類、野菜、果物などに含まれます。「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、30~49歳の食物繊維の目標量は、男性で1日22g以上、女性で18g以上とされています。目標量に近づけるために、主食の一部を玄米に替える、豆類や野菜のおかずを1品加えるなど、取り入れやすい工夫から始めましょう。

適度な運動でホルモンバランスを整える

適度な運動は、グレリンなどの食欲に関わるホルモンの分泌に影響し、食欲の調節を支えると考えられています。また、運動は血糖値の調節や睡眠、ストレスへの対処にも役立つため、無理なく続けられる運動を習慣にすることが大切です。

まとまった運動時間が取れない日は、昼休みや夕食後に短時間歩く、階段を使うなどでも構いません。食後の運動は食後血糖の上昇を抑える方向に働くことが示されているため、体調に問題がなければ、食後の軽い散歩から始める方法もあります。

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食欲のコントロールが難しいときは医療機関へ相談を

睡眠や食事を見直しても強い食欲や食べ過ぎが繰り返される、食べ始めると止めにくいと感じる、食後の自己嫌悪が強く仕事や生活に影響している場合は、一人で抱え込まず、医療機関に相談してください。

医療機関では、体重や血液検査の結果だけでなく、睡眠、服用している薬、食行動、ストレスなども含め、食欲や体重に影響している背景を確認できます。

また、肥満に関連する健康障害がある場合や、内臓脂肪の蓄積によって健康障害を起こすリスクが高い場合は、「肥満症」と診断され、治療の対象になることがあります。

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まとめ

食欲には、レプチンやグレリンをはじめとするホルモンのほか、血糖値、睡眠、ストレス、周囲の環境など、さまざまな要因が関わっています。食欲だけを無理に抑えようとせず、睡眠や食事、ストレスなどを含めて生活全体を見直すことが大切です。

まずは睡眠を少し長くする、主食だけの食事を減らす、食後に軽く歩くといった一つの行動から始めてみましょう。強い食欲に振り回される状態が続くときは、生活習慣だけで解決しようとせず、医療者と一緒に対策を考えることが大切です。

参考資料

監修

さい内科・消化器内科クリニック

崔 静姫 先生

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