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サクセンダに危険性はある?副作用と日本で使用する際の注意点

「体重を減らすための注射薬に関心があるものの、副作用が心配」「サクセンダについて調べると、さまざまな情報が出てきて判断できない」と感じている方もいるでしょう。

サクセンダ(Saxenda)は、リラグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。海外では肥満または過体重の人の体重管理に使用されていますが、2026年8月現在、日本では肥満症治療薬として承認されていません。

本記事では、サクセンダの作用や副作用、使用できない人、日本で使用する場合に知っておきたい制度上の注意点について解説します。

この記事でわかること
  1. サクセンダの特徴と副作用
  2. 日本で使用する際の注意点
  3. 薬物療法を検討する際の確認点

サクセンダとは

サクセンダは、肥満または過体重の人の長期的な体重管理を目的として、海外で使用されている注射薬です。食事療法や運動療法と組み合わせて使用します。

有効成分は「リラグルチド」

サクセンダが作用する仕組み
Geminiで生成した画像を元に作成

サクセンダの有効成分は「リラグルチド」です。リラグルチドは、食事を取った後などに腸管から分泌されるホルモン「GLP-1」に似た働きをするGLP-1受容体作動薬です。

脳の食欲調節に関わる部位に作用して食欲や食事量を抑えるほか、胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせる作用があります。

サクセンダは、腹部、大腿部または上腕部の皮下に1日1回注射します。米国では、一定の条件を満たす成人と12歳以上の小児を対象に承認されています。

日本では肥満症への使用は未承認

サクセンダは、米国やEUで、肥満または過体重の人を対象とした体重管理薬として承認されています。

一方、2026年8月現在、日本では肥満症治療薬として製造販売承認を受けていません。そのため、日本でサクセンダを用いた治療を受ける場合は、原則として公的医療保険が適用されない自由診療となります。

※サクセンダの有効成分であるリラグルチドは、日本でも2型糖尿病治療薬「ビクトーザ」として承認されています。

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肥満症の薬物療法を保険適用で受ける条件とは?治療薬の種類や副作用も解説

サクセンダの副作用

サクセンダの使用を検討する際、副作用を心配する方もいるでしょう。ここでは、比較的よくみられる副作用と、注意が必要な症状について解説します。

サクセンダで比較的よくみられる副作用

米国で行われた成人対象の臨床試験では、サクセンダの主な副作用として、吐き気、下痢、便秘、嘔吐、注射部位の反応、頭痛、消化不良などが報告されています。こうした症状は、リラグルチドが食欲に作用することや、胃の内容物が腸へ移動する速度を遅らせることなどに関連すると考えられています。

吐き気は治療を続けるうちにみられにくくなる傾向がありますが、症状の程度や続く期間には個人差があります。

嘔吐や下痢が続くと、脱水や腎機能の悪化につながることもあります。水分が取れない、尿量が減る、強いだるさがあるといった場合は、処方を受けた医療機関への相談が必要です。

ただし、副作用の現れ方には個人差があり、海外の臨床試験の結果がそのまま日本人に当てはまるとは限りません。

注意が必要な副作用や症状

サクセンダの使用中には、頻度が高くなくても注意が必要な副作用があります。以下は、主に米国の添付文書に記載されている注意事項です。

急性膵炎

GLP-1受容体作動薬では、急性膵炎が報告されています。治まらない強い腹痛や、背中に広がる腹痛が現れ、吐き気や嘔吐を伴う場合があります。こうした症状が現れた場合は、サクセンダの使用を中止し、直ちに医療機関へ連絡する必要があります。

胆石症・胆のう炎

サクセンダの臨床試験では、胆石症や胆のう炎などの胆のう疾患が報告されています。右上腹部の強い痛み、発熱、皮膚や白目が黄色くなる黄疸などが現れた場合は、医療機関へ相談しましょう。

低血糖

サクセンダでは低血糖が起こることがあります。特に、インスリン製剤やスルホニル尿素薬など、一部の糖尿病治療薬と併用した場合は、低血糖のリスクが高まります。低血糖では、冷や汗、手の震え、動悸、強い空腹感、めまい、意識がぼんやりするといった症状が現れることがあります。

低血糖が起きた場合の対応は、併用している糖尿病治療薬によって異なることがあります。糖尿病治療中の人は、サクセンダを使用する前に、症状が出た場合の対応を医師から確認しておく必要があります。

脱水に伴う急性腎障害

吐き気、嘔吐、下痢などによって体内の水分が不足すると、腎機能が急激に低下することがあります。特に腎機能に障害がある人は、吐き気、嘔吐、下痢などが続く場合に、医療機関へ相談する必要があります。

重いアレルギー反応

顔やのどの腫れ、呼吸困難、急激なめまいなどが現れた場合は、重いアレルギー反応の可能性があるため、使用を中止し、直ちに救急要請を行う必要があります。

心拍数の増加

サクセンダでは、安静時の心拍数が増加することがあります。動悸や、安静にしていても心臓が速く鼓動している感覚が続く場合は、医師に相談しましょう。

米国の添付文書では、使用中に心拍数を定期的に確認するよう注意喚起されています。

麻酔や鎮静を伴う手術・検査を受ける場合

サクセンダなどのGLP-1受容体作動薬を使用している人が、全身麻酔や深い鎮静を伴う手術・検査を受けた際に、胃に残っていた内容物が気道に入る「肺誤嚥」が報告されています。手術や検査の予定がある場合は、サクセンダを使用していることを、あらかじめ医師や麻酔を担当する医療者に伝える必要があります。

GLP-1受容体作動薬でみられる主な副作用や、より詳しい対処法については「GLP-1受容体作動薬の副作用を徹底解説!吐き気の対策や手術時の誤嚥リスクとは」の記事をご覧ください。

サクセンダを使用できない人・注意が必要な人

サクセンダは、体質や持病などによって使用できない人や、使用にあたって特に注意が必要な人がいます。ここでは、米国の添付文書に基づいて説明します。

サクセンダを使用できない人

使用できない人の扱いは国や地域によって異なります。米国の添付文書では、次の人はサクセンダを使用できないとされています。

  • 甲状腺髄様がんの既往歴または家族歴がある人
  • 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の人
  • リラグルチドまたはサクセンダに含まれる成分によって重いアレルギー反応を起こしたことがある人

リラグルチドは、ラットやマウスを用いた試験で甲状腺C細胞腫瘍を増加させたことが報告されています。ただし、ヒトでも同様に甲状腺腫瘍を引き起こすかどうかは明らかになっていません。

妊娠中・授乳中の使用

妊娠中の減量は、おなかの赤ちゃんに利益をもたらさず、害を及ぼす可能性があります。このため、米国の添付文書では、サクセンダの使用中に妊娠が判明した場合は、使用を中止することとされています。

授乳中の使用については、リラグルチドがヒトの母乳中に移行するかどうか、十分な情報がありません。授乳を続けることの利点や、母親にサクセンダによる治療が必要かどうかなどを踏まえ、医師と相談して判断します。

使用前に医師へ伝える必要があること

サクセンダの使用前には、これまでにかかった病気や、使用している薬を医師へ伝える必要があります。

特に、膵炎、胆石症・胆のう炎、腎臓病、肝臓病、胃不全まひなどの重い胃腸の病気がある場合や、甲状腺髄様がんの既往歴または家族歴がある場合は、事前に医師へ伝える必要があります。

インスリン製剤やスルホニル尿素薬などの糖尿病治療薬を使用している場合は、低血糖のリスクを考慮して、併用薬の量を調整することがあります。

また、処方薬だけでなく、市販薬、ビタミン剤、漢方薬、サプリメントなども伝えましょう。

日本でサクセンダを使用する場合の注意点

日本で未承認のサクセンダを使用する場合は、薬そのものの副作用に加えて、承認薬とは異なる制度上の注意点があります。

日本で未承認のサクセンダを使用する際の注意点
Geminiで生成した画像を元に作成

医薬品副作用被害救済制度の対象にならない

「医薬品副作用被害救済制度」は、医薬品を適正に使用したにもかかわらず、重い健康被害が生じた場合に、医療費などを給付する公的な制度です。ただし、一定の条件を満たす必要があります。

日本で承認されていないサクセンダを使用して健康被害が生じた場合は、原則として、この制度による救済の対象にはなりません。個人輸入した医薬品による健康被害も、医薬品副作用被害救済制度の対象外です。

個人輸入品は日本で品質などが確認されていない

個人輸入された医薬品は、日本の医薬品医療機器等法に基づく品質、有効性、安全性の確認を受けていません。

厚生労働省は、個人輸入品について、表示と異なる成分が含まれている製品、有害な物質を含む製品、正規品を装った偽造品などが流通している可能性を示しています。

自己判断で個人輸入し、医療機関による診察や経過観察を受けずに使用することは避ける必要があります。

肥満症の薬物療法を検討する際の確認点

肥満症の薬物療法は、医学的に減量が必要な肥満症の患者さんを対象に、食事療法、運動療法、行動療法などと組み合わせて行われます。

肥満症に該当するか確認する

日本肥満学会では、BMIが25以上の「肥満」に該当し、肥満に関連して減量を必要とする健康障害がある場合、または健康障害を伴いやすい内臓脂肪型肥満である場合を「肥満症」としています。 

BMIが25以上でも、肥満に関連する健康障害がなく、内臓脂肪型肥満にも該当しなければ、肥満症とは診断されません。

薬ごとの使用条件を確認する 

肥満症と診断されても、全ての人が薬物療法の対象になるわけではありません。

また、薬によって対象となる患者さんや使用条件が異なります。薬物療法の対象となるかは、BMI、健康障害の有無、これまでの治療経過などをもとに医療機関で判断されます。

ウゴービやゼップバウンドなど、日本で承認されている肥満症治療薬の使用条件や特徴については、「GLP-1受容体作動薬の比較ガイド|肥満症治療における効果・副作用・選び方を徹底解説」の比較記事で詳しく解説しています。

自己判断で量や使用方法を変更しない

GLP-1受容体作動薬は、副作用の状態を確認しながら段階的に増量するものがあります。

自己判断で投与量や投与回数を変更すると、吐き気や嘔吐などの副作用が強く現れる可能性があります。糖尿病治療薬を併用している場合は、低血糖にも注意が必要です。

使用を中断した後の再開方法も薬によって異なるため、自己判断で以前と同じ量から再開せず、処方を受けた医師に確認しましょう。

まとめ

サクセンダは、リラグルチドを有効成分とするGLP-1受容体作動薬です。海外では肥満または過体重の人の体重管理に使用されていますが、2026年8月現在、日本では肥満症治療薬として承認されていません。

日本で未承認のサクセンダを使用して健康被害が生じた場合は、原則として医薬品副作用被害救済制度の対象になりません。

肥満症の薬物療法を検討する際は、日本での承認状況、期待できる効果、副作用、使用できる条件、費用、健康被害が生じた場合の対応などについて説明を受け、自分に適した治療かどうかを医師と確認することが重要です。

参考資料

監修

浦添総合病院

中田 円仁 先生

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