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防風通聖散で効果が出ないのはなぜ?合わない体質と見直し方を解説

この記事でわかること
  1. 防風通聖散で効果が出ない理由
  2. 自分の体質の判定基準
  3. 効果が得られない時の対処法

ドラッグストアなどでも購入できる「防風通聖散」ですが、数か月間飲んでも体重や見た目に変化が出ず、「続けるべきだろうか」と悩む20〜40代の女性は少なくありません。しかし、漢方薬は体質や生活習慣によって適否が分かれます。効果が得られない背景には、体質との不一致や日々の生活習慣など、さまざまな要因が存在します。本記事では、防風通聖散で効果が得られない理由や体質の確認基準、安全な対処法をわかりやすく解説します。

防風通聖散とは?

防風通聖散は、古くから東洋医学で用いられてきた伝統的な漢方処方の一つです。おなかに皮下脂肪が多く、便秘がちな方に適しているとされています。

18種類の生薬による代謝・便通・利尿の作用

防風通聖散は18種類の生薬で構成されています。これらの生薬が互いに補完し合うことで、発汗、利尿、便通などの効果が期待されます。

「体力充実」タイプに処方される漢方薬

防風通聖散は、漢方医学で「実証」と呼ばれる、体格がしっかりとして体力が充実している方に適した漢方薬です。具体的には、おなか周りに皮下脂肪が多く肥満傾向のある方で、血圧が高めで便秘がち、のぼせや肩こりなどの自覚症状を伴う状態に適応とされています。

防風通聖散を飲んでも効果が感じられない3つの理由

防風通聖散を継続して服用しているにもかかわらず効果が感じられない場合、いくつかの理由が考えられます。

体質的に合っていないから

防風通聖散が効果を発揮するためには、「実証」に合致していることが重要です。胃腸が弱く下痢をしやすい人や、冷え性で疲れやすい「虚証」の人が服用すると、生薬の作用が強すぎて、胃もたれや下痢を起こすことがあります。

服用期間が2〜3か月に達していないから

漢方薬による体質改善や脂質代謝の向上は、緩やかに進行するため、変化を実感するまでには一定の時間を要します。一般的に、便秘の改善などは数日~数週間であらわれることが多いものの、皮下脂肪の減少や体重の変化を評価するには最低でも2〜3か月程度の継続的な観察が必要です。服用を開始してわずか数週間~1か月程度で「変化がない」と判断してしまうのは、期間として短すぎる可能性があります。

食事・運動を見直していないから

防風通聖散は代謝や排泄を助ける薬であり、摂取したエネルギーを無効化するものではありません。そのため、服用している安心感から食事量が増えてしまったり、運動不足が続いたりすると、消費エネルギーを摂取エネルギーが上回り、当然ながら体重は減少しません。肥満症の根本的な治療法はあくまで食事療法と運動療法であると知っておくことが大切です。

防風通聖散が合う体質か確認する方法

漢方薬の適否を判断する際は、個人の体格、筋力、胃腸の強さ、日頃の自覚症状などを総合的に評価する必要があります。防風通聖散がご自身に適しているかどうかを見極めるために、実証タイプと虚証タイプの特徴を比較して確認してみましょう。

実証タイプ(体力充実)、虚証タイプ(冷え性・胃腸が弱い)
Geminiで生成した画像を元に作成

効果を感じやすい実証タイプの特徴

防風通聖散は「実証」と呼ばれる体力が充実している方に適した漢方薬です。

具体的には、おなか周りにしっかりとした皮下脂肪がついている肥満傾向の方や、頑固な便秘に悩まされている方に適しています。また、顔色が赤ら顔でのぼせやすく、高血圧に伴う肩こりや動悸、むくみなどの自覚症状を伴う状態において、特に効果を感じやすいとされています。

効果を感じにくい虚証タイプの特徴

防風通聖散の効果を感じにくく、かえって不調を招きやすいのは「虚証」と呼ばれる体力やエネルギーが不足している状態の方です。

具体的には、日常的に疲れやすく冷え性である方や、胃腸が弱く下痢・軟便を起こしやすい方です。また、筋肉量が少なくおなか周りの張りが柔らかい方や、冷たい食べ物・脂っこいものを取ると、すぐにおなかを壊してしまうような方も合わないことが多いです。「虚証」の方は、水分代謝を優しく整える「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」など、他の漢方薬が適していることがあります。

防風通聖散で効果が得られない時の生活習慣の見直し方

体重管理の主軸は日々の生活習慣の改善にあります。防風通聖散の効果を最大限に引き出すためには、食事や運動などの基本に立ち返ることが必要不可欠です。

バランスの良い食事で摂取カロリーを管理する

体重を安全に減少させるための基本原則は、1日の総摂取エネルギーを消費エネルギーよりも適度に抑えることです。まずは炭水化物、タンパク質、脂質のバランスを意識し、特定の栄養素を極端に排除しない定食スタイルの食事を心がけましょう。

筋肉量を維持して基礎代謝を保つために、赤身の肉や魚、大豆製品などの良質なタンパク質を毎食しっかり取ることが推奨されます。また、食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこ類を食事の最初に取ることで、糖や脂質の吸収を穏やかにし、満腹感を得やすくする工夫が役立ちます。

有酸素運動・睡眠・水分補給を見直す

内臓脂肪や皮下脂肪を燃焼させるためには、定期的な運動習慣と十分な休息が欠かせません。ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を1日30分程度、週に数回取り入れることで、脂肪燃焼効率が向上します。また、防風通聖散には利尿作用や発汗作用があるため、こまめな水分補給を意識して過ごすようにしましょう。

さらに、睡眠不足は食欲を増進させるホルモンの分泌を促し、満腹感をもたらすホルモンを低下させることが知られているため、毎日7時間前後の良質な睡眠を確保することが体重管理に大きく寄与します。

防風通聖散の副作用と注意すべき症状

漢方薬は生薬から作られているため「副作用がなくて安全」と思われがちですが、医薬品である以上、好ましくない症状があらわれるリスクが存在します。安全に服用を継続するためにも、あらかじめ起こり得る副作用を把握しておくことが大切です。

よくある副作用

防風通聖散の服用開始直後から比較的多くみられる初期症状として、軟便や下痢、おなかの痛み、胃の不快感、吐き気などがあります。また皮膚の症状として、発疹やかゆみなどの過敏症状があらわれる場合もあります。日常生活に支障が出るほど激しい腹痛や頻回の下痢が続く場合は、服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

まれに起こる副作用

発生頻度は低いものの、重篤な副作用として偽アルドステロン症、ミオパチー、間質性肺炎、肝機能障害、腸間膜静脈硬化症などが報告されています。手足に力が入らない、むくみ、息苦しさ、発熱、全身のだるさなどの異変に気づいた場合は、直ちに服用を中止して医療機関を受診してください。

持病がある人は服用前に医師に相談を

特定の基礎疾患をお持ちの方や、ほかの医薬品を継続して使用している方は、防風通聖散の服用によって病状が悪化するおそれがあります。高齢者や妊娠中・授乳中の方も含め、何らかの持病や服薬歴がある場合は自己判断で服用せず、事前に医師や薬剤師に必ず相談してください。

効果が得られない時の「次の一歩」

防風通聖散をある程度の期間服用しても目に見える効果が実感できない場合は、一度以下のことを見直してみることをお勧めします。

服薬・生活習慣の見直し、医師・薬剤師への相談、肥満外来の見当
Geminiで生成した画像を元に作成

飲み方や生活習慣を見直す

まず、用法・用量が守られているか、服用のタイミングが適切であるか確認しましょう。

漢方薬は一般的に「食前(食事の30分前)」または「食間(食後2時間程度)」に水または白湯で服用することで、成分が吸収されやすくなるとされています。あわせて、食事内容や活動量を記録し、間食の習慣や運動量の低下が生じていないか、客観的に振り返ることが重要です。

体質に合わなければ医師・薬剤師に相談する

飲み方や生活習慣に問題がないのに効果が得られず軟便・胃部不快感が続く場合は、体質に合っていない可能性があります。一度、医師や薬剤師に相談してみましょう。「防已黄耆湯」や「大柴胡湯(だいさいことう)」など、より適した他の漢方薬を提案してもらえる場合があります。

肥満症外来という選択肢も検討する

効果が得られずお悩みの場合は、「肥満症外来」を受診することも選択肢の一つです。肥満症外来では、血液検査や画像診断を通じて、肥満の背景に耐糖能障害や脂質異常症、高血圧などの健康障害が隠れていないかを精密に評価します。

医師や管理栄養士による専門的な食事・運動指導を受けられるだけでなく、医学的な基準を満たせば保険適用となる肥満症治療薬の導入も視野に入ります。専門的な医療サポートを受けることで、無理のない安全な体重管理が実現できます。

まとめ

防風通聖散は、体力が充実しており、おなかに皮下脂肪が多く便秘がちな「実証」タイプの方に適している漢方薬です。一方で、脂肪を直接分解してすぐに体重を落とすような薬ではありません。そのため、漫然と服用を続けるのではなく、ご自身の体質との相性や生活習慣を定期的に見直すことが大切です。また自己判断せず、薬剤師や肥満症外来の専門医に相談しながら、無理のない健康的な体作りを目指しましょう。

参考資料

監修

浦添総合病院

中田 円仁 先生

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