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マンジャロを中止してリバウンド…高齢の親の血糖値をどう支える?

81歳の父はこれまでマンジャロを処方されていましたが、HbA1cはそれほど大きく改善しない一方で、体重減少が著しく、食欲不振も強かったため、昨年10月末にGLP-1受容体作動薬に変更しました。その時点でのHbA1cは7.5%前後でした。

その後、薬剤変更により食欲が回復し、さらにお正月の食べ過ぎも重なった結果、今回の診察では体重が6kg増加し、HbA1cは9.2%まで上昇していました。体重は増えたものの、BMIは22で標準範囲内に収まっています。また、お正月に親族と会った際には、「一時期はかなりやつれて見えたが、今のほうが元気そうだ」と言われていました。

診察時、主治医から「マンジャロに戻しますか?」との提案がありましたが、今回はHbA1c上昇の原因が父本人にも明確に認識できていることから、「生活面に注意してもう一度頑張りたい」と本人が希望しました。同席していた私は、早めにマンジャロに戻したほうがよいのではないかと意見しましたが、食欲不振になるのが辛いようで最終的には主治医が「本人の意思を尊重する」という判断をされ、現行のGLP-1受容体作動薬を継続することになりました。

私自身も糖尿病患者で、現在は寛解と判断され、半年に1回の経過観察のみで、薬物治療は行っていません。過去にはHbA1cが12%以上まで上昇した経験があり、HbA1c 9.2%が決して軽視できない数値であることは理解しているつもりです。なので会計待ちの間にも私は繰り返しマンジャロに戻すべきと主張しましたが、父は、「マンジャロに戻さなければならない状態だと先生が判断すれば、選択肢を提示せずそのように強制指示をしている。選択肢を提示している時点で、どちらを選んでも問題ないのだろう」という姿勢を崩さず、最終的に判断が変わることはありませんでした。

私の経験上、HbA1cが9%を超えていれば、教育入院を勧められてもおかしくないレベルだと感じていますが、マンジャロを使用せずにGLP-1受容体作動薬(ビクトーザ等)単独で本当に問題ないのでしょうか?

また、2週間後に今度は頸動脈エコー検査を予定しています。これまで5年以上、「多少の狭窄はあるが、手術適応はなく経過観察」という評価が続いていますが、今回のHbA1c悪化が影響して、エコー所見が悪化している可能性はあるでしょうか?

(70代以上/男性)

A先生からの回答

婦人科
A先生
お父様のことがご心配なお気持ちはすごくよくわかりますが、私はお父様のご意見には納得できるものを感じます。

「マンジャロに戻さなければならない状態だと先生が判断すれば、選択肢を提示せずそのように強制指示をしている。選択肢を提示している時点で、どちらを選んでも問題ないのだろう」というお父様のご意見は、誠にごもっともです。

また主治医の方針についても、医学的に見ておかしいという印象は受けません。例えば教育入院1つとっても、あなた様の年代とお父様の年代では考え方が異なるのです。あなた様の年代でHbA1cがかなり高ければ、20年後や30年後に失明や人工透析になる恐れを考えて積極的に教育入院を行うものですが、お父様の年代になるとそもそも20年後や30年後があるかどうかさえわからない訳でそこまで考える必要がないため、教育入院の基準は若い人よりも緩くなる傾向があるのです。ですので、あなた様の物差しをそのままお父様に当てはめて考えるのは慎んだ方が良いと思います。

主治医と患者本人がお互いに納得の上で治療法を選択したわけですから、今はそれを尊重した方が良いでしょう。糖尿病は患者本人が納得して、自ら治療へのモチベーションを上げることが、治療を続けていく上で1番重要と言えます。誰かに言われてしぶしぶその通りにしても、肝心の本人のモチベーションが上がらなければ、治療がおろそかになりがちだからです。

あなた様から見ると患者としては頼りなく見えるのかもしれませんが、お父様はお父様で、1人の立派な人間です。お父様が自分なりに考えて決めて、主治医の先生もそれで良いと言ってくださっているわけですから、今はそれに異議を唱えるよりも、お父様の決定を応援してあげられないでしょうか?

頸動脈エコーについてですが、この所見は長年の生活習慣のツケが出るものであって、短期間の血糖の変動で大きく変わるわけではありません。ですので断言こそできないものの、エコー所見が急激に悪くなっているとは考えにくいと思います。
質問者さん
このたびは、お忙しい中にもかかわらず、父の治療について大変丁寧で分かりやすいご意見をお寄せいただき、誠にありがとうございました。
先生のお言葉を拝読し、私自身の考え方がやや先走り、父の立場や年齢、価値観を十分に尊重できていなかったのではないかと、深く考えさせられました。特に、治療の選択肢が提示されていること自体が「どちらを選んでも医学的に問題ない」という判断である、というご説明には大変納得いたしました。また、年代によって治療方針や将来を見据えた考え方が異なるという点も、これまで十分に理解できていなかった重要な視点でした。

糖尿病治療において、患者本人の納得とモチベーションが何より大切であるというご指摘は、今後父を支えていく上で常に心に留めておきたいと思います。父を「患者」としてではなく、一人の人間として尊重する姿勢の大切さを、改めて教えていただきました。

貴重なご助言に心より感謝申し上げます。今後は父の選択を尊重し、寄り添う形で支えていきたいと思います。ありがとうございました。

B先生からの回答

一般内科
B先生
「マンジャロに戻さなければならない状態だと先生が判断すれば、選択肢を提示せずそのように強制指示をしている。選択肢を提示している時点で、どちらを選んでも問題ないのだろう」
 →お父様のいうとおりです。

今回のHbA1c悪化が影響して、エコー所見が悪化している可能性はあるでしょうか?
 →短期間で影響を受けるものではありません。

私の経験上、HbA1cが9%を超えていれば、教育入院を勧められてもおかしくないレベルだと感じていますが、マンジャロを使用せずにGLP-1受容体作動薬(ビクトーザ等)単独で本当に問題ないのでしょうか?
 →医師の経験で言えば全く問題ありません。HbA1cは画一的に目標を定めるものではありません。特に今回のようなケースでは無理に納得しない薬剤変更や入院をさせるほどではありません。画一的に低ければ低いほどいい、というわけではありません。

 かなりしっかりしたお父様に思いますのでお父様と主治医で決定したことを見守ってあげてください。お大事になさってください。
質問者さん
このたびは、ご多忙のところ、父の治療方針や検査結果について非常に丁寧で分かりやすいご説明をいただき、誠にありがとうございました。ひとつひとつのご回答が具体的で、専門的でありながらも配慮に満ちており、私自身の不安や疑問が大きく和らぎました。

特に、「選択肢を提示している時点でどちらを選んでも問題ない」という父の考え方について、先生からも「お父様のいうとおり」と明確にお示しいただいたことで、父の判断をより前向きに受け止めることができました。また、今回のHbA1c悪化が短期間で頸動脈エコーの所見に直結するものではない、というご説明も、必要以上に不安を膨らませていた私にとって大きな安心材料となりました。

HbA1cが高値であっても、年齢や背景を踏まえた上で無理に薬剤変更や教育入院を行う必要はない、画一的に数値だけで判断すべきではない、というお考えは、これまで私が抱いていた「数値を下げることが最優先」という認識を見直すきっかけになりました。GLP-1受容体作動薬単独でも問題ないという先生のご経験に基づくお言葉は、非常に心強く感じております。

父のことを「かなりしっかりした方」と評価してくださり、主治医と本人で決めたことを見守ってあげてほしい、というお言葉にも深く感謝しております。今後は私自身の不安を父に押し付けるのではなく、父の意思と主治医の判断を尊重し、支える立場で寄り添っていきたいと思います。このたびは貴重なお時間を割いてご助言いただき、心より御礼申し上げます。父にも先生のお言葉を共有し、今後の治療に前向きに向き合っていければと思っております。本当にありがとうございました。

C先生からの回答

消化器内科、他
C先生
総合内科専門医です。御心配の事と思います。
基本的には我々医療者は患者さんに治療を強制することはできません。たとえ我々が最善の選択と思っても患者さんが拒否すれば治療はできません。なので今回は患者様(お父様)が選択をしたわけなので、それを尊重するしかないです。我々医者が強制できる分野ではありません。
頸動脈に関しても悪化している可能性はありますが、そこまで急激な悪化は普通はしません。ただ悪化はしている可能性は十分にあります。その辺りも踏まえて再度マンジャロにするかお父様に考えてもらうしかないでしょう。
質問者さん
誠にありがとうございます。父の治療を巡って不安が先行していた私にとって、先生のお言葉は状況を冷静に受け止める大きな助けとなりました。
主治医であっても治療を強制することはできず、最終的には患者本人の意思が尊重されるという原則について、頭では理解していたつもりでも、改めて明確に示していただいたことで深く納得することができました。父自身が選択した治療である以上、それを尊重する姿勢が大切なのだと再認識いたしました。
今回いただいたご助言を胸に、父の意思を尊重しつつ、必要な情報を共有し、支えていきたいと思います。お忙しい中、貴重なお時間を割いてご教示いただき、心より感謝申し上げます。

D先生からの回答

腎臓内科
D先生
血糖値が悪化しても短期間で頸動脈エコーは悪化しません。糖尿病治療薬は内服薬でも優れた薬は沢山ありますが、基本的に節生したり運動習慣がなければ、同じことです。マンジャロをやめてGLP1受容体作動薬単独ではコントロールは改善しないと思います。
質問者さん
このたびは、お忙しい中にもかかわらず、血糖コントロールや治療薬について大変具体的で率直なご意見をお示しいただき、誠にありがとうございました。
血糖値の悪化が短期間で頸動脈エコーの所見に直結するものではないという点や、薬剤の種類そのものよりも、生活習慣の重要性が大きいというご説明は、私にとって非常に理解しやすく、納得のいくものでした。
また、内服薬やGLP-1受容体作動薬がいかに優れた薬であっても、食事や運動といった基本が伴わなければ十分な効果は得られないという現実を、改めて認識することができました。治療薬に対して過度な期待を抱いていた部分があったことにも気付かされました。
マンジャロ中止後にGLP-1受容体作動薬単独ではコントロール改善が難しい可能性がある、というご指摘も含め、現実的かつ専門的な視点からのご助言に心より感謝しております。
今回いただいたお言葉を踏まえ、治療そのものだけでなく、生活習慣への向き合い方についても、本人とよく話し合い、支えていきたいと考えております。
貴重なお時間を割いてご教示いただき、本当にありがとうございました。

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