- 「NBIP-’2118」は、CRF2に作用する新しい作用機序の肥満症治療薬候補
- 健康な体重の成人、過体重または肥満の成人を対象とする第1相試験がスタート
- 初期データは2027年に得られる見込み
既存薬とは仕組みの異なる、新しい肥満症治療薬候補
米国のNeurocrine Biosciences社は、肥満症に対する治療薬候補「NBIP-’2118」について、ヒトで初めて評価する第1相臨床試験を開始したと発表しました。
肥満症は、2型糖尿病や心血管疾患、特定のがんなど、さまざまな病気のリスクと関連することが知られています。世界的に多くの成人が肥満症の影響を受けており、医療や社会保障制度にかかる負担が課題となっています。近年、肥満症治療は大きな進歩を遂げていますが、安全で効果的かつ持続可能な体重管理を支援する新たな治療法が依然として必要とされています。
NBIP-’2118は、コルチコトロピン放出因子2型受容体(CRF2)に作用するペプチド作動薬です。インクレチン系とは異なる作用機序を持ち、肥満症に対する新たな治療選択肢となる可能性があるとされています。
体重減少と筋肉量の維持を両立できる可能性
今回開始された第1相試験では、NBIP-’2118の1回皮下投与を行い、用量を段階的に増やしながら、安全性と忍容性をプラセボ(偽薬)と比較して評価します。対象は、健康な体重の成人、および過体重または肥満の成人です。初期データは2027年に得られる見込みとされています。
NBIP-’2118は、前臨床モデルでは、高い選択性と作用の強さが認められています。体重減少は主に脂肪の減少によるもので、骨格筋を含む除脂肪量は維持または増加したことが示されています。
同社は、NBIP-’2118について、除脂肪量を保ちながら体重減少を目指す薬剤候補であるとしています。また、単独治療だけでなく、インクレチン系の作用機序を持つほかの治療法と組み合わせて使うことも考えられるとしています。
ほかの肥満症治療薬候補との併用も視野
同社では、肥満症に対する複数の開発プログラムも進めています。その1つである「NBIP-’1968」は、GLP-1・GIP・グルカゴン受容体を標的とするトリプル作動薬で、NBIP-’2118との併用が想定されています。
さらに、インクレチン模倣薬とCRF2作動薬を組み合わせた単一分子の薬剤候補や、より長い作用時間を目指したトリプル作動薬の開発も進めるとしています。(ひまんラボ編集部)
出典:Neurocrine Biosciences News Releases Details
本記事は、2026年5月4日にNeurocrine Biosciences社より発表されたプレスリリース「Neurocrine Biosciences Announces Initiation of Phase 1 Clinical Study Evaluating NBIP-‘2118, a Corticotropin-Releasing Factor Type 2 Receptor Agonist」を元に、患者さんやダイエットを検討中の方に向けてわかりやすく要約・解説したものです。