- 「男性ホルモンの低下」と「果糖の摂取」が重なると、肝臓に脂肪が蓄積しやすくなる
- 男性ホルモン減少+果糖の摂取によって、腸内細菌のバランスが変化
- 腸内細菌が作り出す「ピルビン酸」が肝臓への脂肪蓄積に関与
成人男性の約40%にみられる「MASLD」
大阪公立大学は、男性ホルモンの減少と果糖(フルクトース)の摂取により、脂肪が相乗的に肝臓へ蓄積することを明らかにしたと発表しました。この研究は、大阪公立大学、長岡香料株式会社、東京医科大学およびThe Lundquist Institute at Harbor UCLA Medical Centerの研究グループによるものです。
現在、世界の成人男性の約40%が「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)」という肝臓の病気にかかっているといわれています。MASLDの初期段階である脂肪肝のリスク因子として肥満や2型糖尿病が知られていますが、加齢に伴う男性ホルモンの減少や清涼飲料水などに含まれる果糖の取り過ぎも脂肪肝の発症リスクを高めるとされています。しかし、これら2つのリスク因子が同時に重なったとき、肝臓にどのような影響が出るのかは十分に解明されていませんでした。
男性ホルモン低下+果糖摂取、より多くの脂肪が肝臓に蓄積
そこで今回の研究では、実験動物(マウス)を用いて、「男性ホルモンの減少」と「果糖」が肝臓に与える影響を検証しました。その結果、男性ホルモン低下と果糖の摂取が重なると、それぞれ単独の場合よりも多くの脂肪が肝臓に蓄積することが明らかになりました。
腸内細菌が作る「ピルビン酸」が脂肪蓄積を促進
その際、マウスの体内では腸内細菌叢が変化しており、それによって腸内で「ピルビン酸」という物質の増加がみられました。ピルビン酸は、ブドウ糖(グルコース)や果糖を分解してエネルギーを作る過程で生じ、アセチルCoAという別の物質を介して脂肪酸(脂質の一種)を作る材料として利用されます。
さらに、マウスから採取した肝臓の細胞を用いた実験から、ピルビン酸と果糖が同時に存在すると、中性脂肪を蓄積しやすくなることが確認されました。
新しい治療薬や食品の開発に期待
今回の研究によって、「男性ホルモンの減少」と「果糖の摂取」の2つが組み合わさると、相乗的に肝臓に脂肪が蓄積しやすくなることが判明しました。また、腸内細菌が作り出すピルビン酸が脂肪肝の悪化に関わる可能性が示されました。「今後は、ピルビン酸が中性脂肪を蓄積させる仕組みを解明し、治療薬の開発や食品による予防法の確立につなげていくことが期待される」と、研究グループは述べています。(ひまんラボ編集部)
本記事は、2026年2月3日に大阪公立大学より発表されたプレスリリース「男性ホルモン減少×果糖摂取が脂肪肝を相乗的に促進 ~腸内細菌の働きによるピルビン酸増加が原因と判明~」を元に、患者さんやダイエットを検討中の方に向けて分かりやすく要約・解説したものです。