- GLP-1受容体作動薬を使用した約2万7,000人の遺伝子データを解析
- GLP1RおよびGIPRの遺伝子の変化が、減量効果や副作用リスクと関連
- 遺伝子情報と年齢・既往歴などを組み合わせることで、治療効果や副作用を予測できるようになる可能性
GLP-1受容体作動薬の効果・副作用は個人差が大きい
米国の23andMe社は、GLP-1受容体作動薬による体重減少や副作用に関連する遺伝子を特定したと発表しました。この研究は、23andMe Research Instituteの研究グループによるものです。
GLP-1受容体作動薬(セマグルチドやチルゼパチドなど)は、体重減少に高い効果が期待できることから、近年、肥満症の治療薬として注目されています。治療効果は人によって異なり、20%以上の体重減少がみられる人もいれば、5%以下の減少にとどまる人もいます。また、吐き気や嘔吐などの副作用の出方にも大きな個人差がありますが、こうした違いの理由は十分に解明されていませんでした。
今回の研究では、この個人差の背景にある要因として「遺伝子」に注目し、GLP-1受容体作動薬を使用した約2万7,000人のデータを用いて、遺伝子と治療に対する反応の関連を調べました。
体重減少・副作用と関連する遺伝子の変化を特定
その結果、「GLP1R」および「GIPR」という遺伝子の変化が、体重減少効果や副作用と関係していることが明らかになりました。特に、GLP1R遺伝子に特定の変化を持つ人は、より大きな減量効果がみられる傾向がありました。
副作用に関しては、GLP1RおよびGIPRの両方で、吐き気や嘔吐と関連する遺伝子の変化が確認されました。また、GIPR遺伝子の影響は、特定の薬剤(チルゼパチド)に限ってみられるなど、薬の種類によっても違いがあることがわかりました。
一人ひとりに最適な治療選択に役立つ可能性
これらの遺伝子情報に年齢や既往歴(過去の病歴)などを組み合わせると、体重減少率や吐き気・嘔吐の発生率を、ある程度の幅で予測できる可能性が示されました。さらに研究グループは、遺伝子情報と臨床情報(年齢、既往歴など)に基づいて、体重減少効果や副作用リスクを層別化(グループ分け)できることを示しました。
この研究成果は、将来的にGLP-1受容体作動薬を用いた肥満治療の最適化につながる可能性があります。(ひまんラボ編集部)
本記事は、2026年4月8日に23andMeより発表されたプレスリリース「New 23andMe Research Institute Study Identifies Genetic Predictors for GLP-1 Weight Loss Efficacy and Side Effects」を元に、患者さんやダイエットを検討中の方に向けて分かりやすく要約・解説したものです。