【ご注意】本記事で紹介する薬剤は、2026年8月現在、臨床試験が進められている開発段階の薬剤です。今後の試験結果などによって変更される可能性があります。
- トレボグルマブの特徴
- フェーズ2試験の結果
- 副作用・有害事象と開発状況
トレボグルマブとは
| 一般名 | トレボグルマブ |
| 商品名 | 未定 |
| 治験薬コード | – |
| 一般名英語表記 | trevogrumab |
| 商品名英語表記 | 未定 |
| 種類 | 抗ミオスタチン(GDF-8)抗体 |
| 投与方法 | 皮下注射 |
トレボグルマブは、リジェネロン(Regeneron Pharmaceuticals)が開発している抗GDF-8/抗ミオスタチン抗体です。
ミオスタチン(GDF-8)は筋肉に関係するタンパク質です。トレボグルマブは、このタンパク質を標的として、減量するときに筋肉などを含む除脂肪体重が減るのを抑えられるか研究されている薬です。
トレボグルマブの臨床試験での結果
フェーズ2のCOURAGE試験では、肥満のある成人を対象に、GLP-1受容体作動薬であるセマグルチドとの併用について検討されています。
26週時点では、試験開始時からの体重変化率は、セマグルチド単独群で-10.6%、トレボグルマブ200mg併用群で-9.9%、同400mg併用群で-11.1%でした。
セマグルチド単独群では、体重減少の33%が除脂肪体重の減少によるものでした。一方、トレボグルマブを追加した群では、セマグルチド単独群と比較して除脂肪体重の減少が抑えられました(200mg併用群:16.8%、400mg併用群:18.1%)。
なお、除脂肪体重には筋肉だけでなく、骨や臓器、水分なども含まれます。
トレボグルマブの作用の仕組み
トレボグルマブは、ミオスタチン(別名:GDF-8)を標的とする抗体です。
COURAGE試験では、26週時点において、トレボグルマブをセマグルチドに追加することで、セマグルチド単独でみられた除脂肪体重減少のおよそ半分を抑えたと報告されています。
トレボグルマブの投与対象
COURAGE試験では、BMI30kg/m²以上の肥満のある成人を対象に検討されています。
26週間の減量フェーズでは、参加者が以下のいずれかの群に割り付けられました。
- セマグルチド2.4mg
- セマグルチド2.4mg+トレボグルマブ200mg
- セマグルチド2.4mg+トレボグルマブ400mg
- セマグルチド2.4mg+トレボグルマブ400mg+ガレトスマブ10mg/kg
正式な適応条件は承認時に確定します。
トレボグルマブの投与方法
COURAGE試験の26週間の減量フェーズでは、セマグルチド2.4mgと、トレボグルマブ200mgまたは400mgとの併用が検討されました。
正式な用法・用量は承認時に確定します。
トレボグルマブの副作用・有害事象
COURAGE試験では、セマグルチドとトレボグルマブの併用は、おおむね良好な忍容性を示したと報告されています。
いずれかの治療群で5%以上にみられた有害事象は、筋けいれん、悪心、便秘、疲労、下痢、頭痛、嘔吐、胃食道逆流症、上気道感染、鼻咽頭炎、尿路感染症、インフルエンザ、COVID-19です。これらの多くは軽度から中等度でした。
トレボグルマブの開発・承認状況
トレボグルマブは、肥満を対象としたフェーズ2のCOURAGE試験で開発が進められている段階です。まだ承認はされていません。
まとめ
トレボグルマブは、ミオスタチン(GDF-8)を標的とする開発中の抗体です。
フェーズ2のCOURAGE試験では、セマグルチドと併用した場合、セマグルチド単独と比較して、減量に伴う除脂肪体重の減少が抑えられ、脂肪量の減少が大きかったことが26週時点で報告されました。
最新状況や承認時期については、公式の発表をご確認ください。
参考資料
- Regeneron「COURAGE Trial Results(EASD 2025)Results from Phase 2 COURAGE Trial Demonstrating Potential to Improve Quality of GLP-1 receptor agonist-induced Weight Loss by Preserving Lean Mass, Presented at EASD」
- 厚生労働省「臨床研究情報ポータルサイト(jRCT)」
- 米国国立医学図書館 「Clinicaltrials.gov(CT)」
プロフィール
可知 健太 さん
整形外科領域、肝疾患領域、がん領域の臨床開発に携わった後、3Hメディソリューション株式会社にて、2015年にがん情報サイト「オンコロ」、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げ、運営責任者を務める。2025年より株式会社QLife代表取締役に就任。2026年より「ひまんラボ」の運営責任を担う。理学修士。