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今日からできる肥満と血栓症予防のシンプルメソッド~飲む・歩く・吸わない・痩せる~

血栓症って怖い病気なの?

「血栓症(けっせんしょう)」という言葉を一度は聞いたことがある人は多いかもしれません。血栓とは血管の中で血液が固まってできた塊のことで、怪我をしたときに皮膚の表面にできる「かさぶた」のようなものです。その結果、先にある臓器に十分な血液が届かなくなり、体に大きなダメージを与えてしまいます。こうした状態を「血栓症」と言います。血栓症を発症すると、重い後遺症を残したり、突然命に関わることもあり、あらかじめ防ぐことがとても重要な病気です。地震などの災害時や新型コロナウイルスCOVID-19関連のニュースでよく耳にするエコノミークラス症候群も血栓症のひとつで、静脈血栓症と言われており、実際に命を落とすケースも少なくありません。

太っていると血栓症になりやすい?

年齢とともに発症しやすくなる血栓症ですが、若い人たちにも発症することがあります。その鍵を握るのは血栓を発症しやすくする原因(危険因子)を持っているかどうかが重要と言われています。静脈血栓症の原因のひとつが肥満です。ある研究では、肥満をもつだけで静脈血栓症を約6倍発症しやすくなると報告されています。つまり、太っているというだけで、血栓症は誰にとっても身近な病気になる可能性があるのです。

血栓症にならないためのポイント4つ

それでは、どうやったら静脈血栓症を予防することができるのでしょうか。特別に難しいことをする必要はありません、これから述べる4つの行動を実践できれば「血栓症」の発症を遠ざけることも可能です。合言葉は「飲む・歩く・吸わない・痩せる」です。

こまめに水分をとりましょう

静脈血栓症の原因の     ひとつに「脱水」が挙げられます。夏場や運動をすることでたくさん汗をかくと、血管内の水分が減り血液がドロドロしてきます。この血液ドロドロ状態が血栓を発生しやすい環境となるのです。

「今日はたくさん汗をかいたな」「水分をあまりとっていないな」

と気付いた時には適切な水分摂取を心がけましょう。

長時間の座りっぱなしを減らしましょう

長時間動かずにいることも静脈血栓症の原因になります。この病気で作られる血栓のほとんどが下肢にでき、そこから血栓が飛んでしまうと重篤な血栓症に発展します。血栓は血液の滞留が原因で形成されやすいので、長時間寝ている・座っているなど下肢を動かさない姿勢を続けているときは注意が必要です。気づかないうちに足に血栓ができているかもしれません。そうなる前に、長時間寝ている・座っている時間を減らし、こまめに立って歩く習慣を身に着けることをお勧めします。立つことが難しいときは、足首の運動も効果があると言われていますので是非お試しください。

たばこは吸わないようにしましょう

喫煙も静脈血栓症の原因と言われています。一見すると、たばこと血栓は関係が無さそうに思えますが、たばこを吸うことにより血液が固まりやすくなることがわ     かっています。したがって、血栓症を防ぐには禁煙することがとても大切です。

体重を適正に保ちましょう

そして、血栓症の原因を減らすために大切なことは体重を適正な範囲に近づけることです。「食事を制限するのが大変」「続けられない」と感じる人も多いかもしれません。

しかし、血栓症予防で大切なのは

  • しっかり水分をとる
  • 体を動かす
  • たばこを吸わない

といった健康的な生活習慣をするだけで良いのです。難しく考える必要はありません。

そしてこれらを続けていくことで、最後の行動目標である体重の適正化にも自然とつながってくるはずです。

最後に

今回は、肥満と静脈血栓症、そしてその予防法についてお話ししました。

「全部をいっぺんにやらなきゃ」と悩む必要はありません。

「飲む・歩く・吸わない・痩せる」

という健康的な生活習慣、シンプルメソッドを少しずつ取り入れて血栓症を遠ざけていきましょう。

医師プロフィール

濵 知明 先生
東京医科大学病院 循環器内科講師 / 心臓リハビリテーションセンター副センター長

濵 知明 先生

2008年福井大学医学部医学科を卒業。諏訪赤十字病院にて初期研修、内科後期研修、国立循環器病研究センター心臓血管内科、東海大学医学部付属八王子病院循環器内科を経て2025年から現職。2021年から米国メイヨークリニックへ留学し、現在は同クリニック共同研究員。循環器専門医、総合内科専門医、老年科専門医、日本リハビリテーション栄養学会理事、日本臨床運動療法学会評議員、日本腎臓リハビリテーション学会代議員等。

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