【ご注意】本記事で紹介する薬剤は、2026年7月現在、臨床試験が進められている開発段階の薬剤です。今後の試験結果などによって変更される可能性があります。
- アミクレチンの特徴
- 臨床試験の結果
- 投与方法・開発状況
アミクレチンとは
| 一般名 | アミクレチン |
| 商品名 | 未定 |
| 一般名英語表記 | amycretin |
| 商品名英語表記 | 未定 |
| 種類 | 長時間作用型GLP-1/アミリン受容体アゴニスト(単一分子型) |
| 投与方法 | 皮下注射(週1回)/経口(1日1回) |
アミクレチンは、ノボノルディスク(Novo Nordisk)が開発している、GLP-1受容体とアミリン受容体の両方に作用する長時間作用型の薬剤です。過体重または肥満の成人、および2型糖尿病の成人に対する治療薬として開発されています。
アミクレチンの減量効果(臨床試験での結果)
2型糖尿病患者448人を対象とした第2相試験で、アミクレチンの有効性と安全性が検証されました。対象となったのは、メトホルミン単独、またはメトホルミンとSGLT2阻害薬による治療を受けていても、血糖値が十分に管理されていない2型糖尿病患者さんです。
試験では、週1回の皮下注射と1日1回の経口投与について、それぞれプラセボと比較しました。治療期間は最大36週間でした。
皮下注射では、平均体重99.2kgから最大14.5%の体重減少が認められました。経口投与では、平均体重101.1kgから最大10.1%の体重減少が認められました。いずれもプラセボとの差は統計学的に有意でした。
また、高用量群では、投与経路にかかわらず、36週時点で体重減少の頭打ちは認められませんでした。
アミクレチンの血糖値への効果
第2相試験では、体重の変化に加えて、HbA1cへの効果が調べられました。
週1回の皮下注射では、平均7.8%だったHbA1cが、36週時点で最大1.8ポイント低下しました。1日1回の経口投与では、平均8.0%だったHbA1cが最大1.5ポイント低下しました。
プラセボ群におけるHbA1cの低下幅は、皮下注射の比較群で0.2ポイント、経口投与の比較群で0.4ポイントでした。アミクレチンによるHbA1cの改善は、いずれもプラセボとの差が統計学的に有意でした。
アミクレチンの作用の仕組み
アミクレチンは、GLP-1受容体とアミリン受容体の両方に作用します。
2種類の受容体に作用する機能を1つの分子に組み込み、GLP-1とアミリンの相互に補い合う働きを利用するよう設計されています。
アミクレチンの投与対象
今回発表された第2相試験では、メトホルミン単独、またはメトホルミンとSGLT2阻害薬による治療を受けていても、血糖値が十分に管理されていない2型糖尿病患者を対象としました。
アミクレチンの投与方法
第2相試験では、皮下注射は週0.4~40mgの6用量、経口投与は1日6mg、25mg、50mgの3用量が検討されました。正式な用法・用量は承認時に確定します。
アミクレチンの副作用・有害事象
第2相試験で最も多く認められた有害事象は消化器系の事象で、その大部分は軽度から中等度でした。
アミクレチンの開発状況
ノボ ノルディスクは、複数の適応症を対象とする大規模な第3相開発プログラムを進める方針を示しています。
まとめ
アミクレチンは、GLP-1受容体とアミリン受容体の両方に作用する薬剤として開発中です。日本における最新状況や承認時期については、公式の発表をご確認ください。
参考資料
- Novo Nordisk「Novo Nordisk phase 2 trial with amycretin reports significant weight loss and HbA1c reduction in type 2 diabetes」
- 厚生労働省「臨床研究情報ポータルサイト(jRCT)」
- 米国国立医学図書館 「Clinicaltrials.gov(CT)」
プロフィール
可知 健太 さん
整形外科領域、肝疾患領域、がん領域の臨床開発に携わった後、3Hメディソリューション株式会社にて、2015年にがん情報サイト「オンコロ」、2018年に希少疾患情報サイト「レアズ」を立ち上げ、運営責任者を務める。2025年より株式会社QLife代表取締役に就任。2026年より「ひまんラボ」の運営責任を担う。理学修士。