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脂質制限ダイエットのやり方|1日の摂取量の目安と食品の選び方を解説

この記事でわかること
  1. 脂質制限と糖質制限の違い
  2. 1日の脂質摂取量の目安
  3. 脂質制限に向く食品とコツ

脂質制限ダイエットとは?糖質制限との違い

脂質制限ダイエットとは、食事に含まれる脂質の摂取量を調整する食事法です。脂質の多い食品や調理油の使用量などを見直すことで、食事全体の摂取エネルギーを減らすことにつながります。

まずはじめに、脂質制限で体重が減る仕組みや特徴、糖質制限との違いについて解説します。

脂質制限で体重が減る仕組み

体重の増減には、食事から取る「摂取エネルギー」と、生命維持や日々の活動などで使われる「消費エネルギー」のバランスが関係しています。

タンパク質と炭水化物は1gあたり約4kcalですが、脂質は1gあたり約9kcalと、2倍以上のエネルギーを持っています。

そのため、脂質の多い食品や調理油を控えることは、摂取エネルギーを減らす方法の一つです。ただし、脂質を減らしても、その分だけ炭水化物などを多く取れば、総摂取エネルギーが減らない場合もあります。

体脂肪を減らすためには、基本的に消費エネルギーが摂取エネルギーを上回る状態が必要です。脂質だけでなく、食事全体の摂取エネルギーを調整することが減量の基本となります。

脂質制限ダイエットの特徴

脂質制限ダイエットでは、揚げ物や肉の脂身、洋菓子、マヨネーズなどの調味料を見直すことで、脂質の摂取量を調整できます。ご飯やパン、麺類などの主食を極端に減らす必要がないため、主食を食べながら食事管理を行える点も特徴です。

一方で、脂質は体に必要な栄養素でもあり、減らしすぎには注意が必要です。また、脂質が少ない食品でも、糖質などを多く含み、エネルギーが高い場合があります。

糖質制限と脂質制限の減量効果の比較

糖質制限は、ご飯やパン、麺類などに含まれる糖質の摂取量を減らす方法です。一方、脂質制限は、油脂や脂身の多い食品などを見直し、脂質の摂取量を減らす方法です。

糖質制限と脂質制限の減量効果については、これまでに多くの研究が行われています。複数の研究をまとめたメタ解析では、摂取エネルギー量が同じ場合、両者の減量効果に統計学的に有意な差は認められないとする結果が多く報告されています。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、こうした研究結果が紹介されています。

ただし、糖質と脂質では、血糖値や血中脂質などへの影響が異なる場合があります。また、どちらも極端に制限すると、必要な栄養素が不足するおそれがあります。

減量を目的とした食事管理では、特定の栄養素を減らすことだけでなく、食事全体の摂取エネルギーや栄養バランス、健康状態などを考慮する必要があります。

脂質制限ダイエットのやり方

脂質の摂取量を調整する際は、極端に減らすのではなく、必要な栄養素を確保することが重要です。

ここでは、厚生労働省が示す脂質摂取量の目標やPFCバランス、食事メニューの組み立て方を紹介します。

脂質制限ダイエットのやり方を説明した図
Geminiで生成した画像を元に作成

1日の脂質摂取量の目安を計算する

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、脂質から取るエネルギーの割合(脂肪エネルギー比率)の目標量を、1歳以上の男女ともに総摂取エネルギーの20~30%としています。

なお、これは生活習慣病の予防などを目的とした一般的な目標量であり、減量のための基準ではありません。

脂質の摂取量は、次の計算式で求められます。

  • 脂質摂取量(g)=総摂取エネルギー(kcal)×脂質エネルギー比率(%)÷100÷9

例えば、1日の総摂取エネルギーを2,000kcal、脂質エネルギー比率を20%とした場合、2,000×20÷100÷9=約44gとなります。

2,000kcalは計算例であり、全ての人に適した摂取エネルギー量ではありません。肥満症の治療では、体格や健康状態などに応じて、摂取エネルギー量や栄養バランスを個別に検討します。

脂質は、量だけでなく種類によっても健康への影響が異なります。食事摂取基準では、肉の脂身や乳製品などに多い飽和脂肪酸について、成人の目標量を総摂取エネルギーの7%以下としています。

PFCバランスを考える

脂質の摂取量を調整する際は、タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate)のバランス(PFCバランス)も重要です。

「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、18〜49歳の成人について、総摂取エネルギーに占める割合の目標量を、タンパク質13〜20%、脂質20~30%、炭水化物50〜65%としています。なお、タンパク質の目標量は年齢によって異なります。

脂質を控える際も、肉や魚などの主菜を極端に減らしたり、主食や菓子類を増やしすぎたりしないよう、食事全体のバランスを考える必要があります。

1日の食事メニューの組み立て方

朝食・昼食・夕食では、ご飯やパンなどの主食、肉・魚・卵・大豆製品などの主菜、野菜・きのこ・海藻類などを使った副菜を組み合わせることが基本となります。

そのうえで、脂質の多い食材や調理油の使用量を見直すと、脂質の摂取量を調整しやすくなります。

例えば、次のような工夫が考えられます。

  • 朝食: パンに塗るバターの量を控える、ベーコンなどの加工肉の使用量を見直す
  • 昼食: 揚げ物を中心とした定食ではなく、焼き魚や蒸し鶏などを主菜とする定食を選ぶ
  • 夕食: 脂身の多い肉を赤身肉に替える、油を多く使う炒め物を蒸し料理や煮物に変更する

このほか、ドレッシングなどの調味料も脂質の摂取量に影響します。

脂質制限中に量や頻度に気をつけたい食品

脂質の多い食品を一律に避ける必要はありませんが、食べる量や頻度、調理方法などを見直すことで、脂質の摂取量を調整できます。

ここでは、日常の食事で脂質が多くなりやすい食品を紹介します。

揚げ物や脂身の多い肉料理

天ぷらやフライ、唐揚げなどは、調理の際に油を吸収するため、脂質が多くなりやすい料理です。

豚バラ肉や牛サーロイン、皮つきの鶏もも肉なども脂質を多く含む場合があります。文部科学省の「食品成分データベース」によると、豚バラ肉(大型種肉・脂身つき・生)は100gあたり35.4gの脂質を含んでいます。

肉類は部位によって脂質量が異なります。1回あたりの量や食べる頻度を調整したり、脂身の少ない部位を選んだりすることで、脂質の摂取量を抑えられます。

洋菓子やスナック菓子などの間食

ショートケーキやクッキー、パイなどの洋菓子には、バターや生クリームなどの油脂が多く使われているものがあります。また、ポテトチップスなどのスナック菓子も、油で揚げられた製品は脂質量が多い傾向があります。

洋菓子やスナック菓子を果物や脂質の少ない菓子に置き換える方法もありますが、脂質が少なくても糖質やエネルギーを多く含む場合もあります。

市販品を選ぶ際は、栄養成分表示で脂質だけでなくエネルギー量も確認するとよいでしょう。

マヨネーズやドレッシングなどの調味料

マヨネーズやドレッシングなども、脂質の摂取量に影響します。

文部科学省の「食品成分データベース」によると、全卵型マヨネーズは大さじ1杯(約12g)あたり約9gの脂質を含んでいます。

調味料は使用量を計量したり、ノンオイルドレッシングやポン酢などに置き換えたりすることで、脂質を減らせます。ただし、脂質の少ない調味料でも食塩相当量が多い製品があるため、栄養成分表示の確認が役立ちます。

脂質制限中でも選びたい食品

脂質の摂取量を調整する際も、必要な栄養素を確保することが欠かせません。脂質の種類やタンパク質の摂取を考えるうえで、知っておきたい食品を紹介します。

DHA・EPAを含む青魚

サバやイワシ、サンマなどの青魚には、n-3系多価不飽和脂肪酸であるDHAやEPAが多く含まれています。DHAやEPAには血中の中性脂肪を低下させる作用が知られています。

青魚は不飽和脂肪酸の供給源となる一方、脂質量そのものが多い種類もあります。揚げ物よりも焼く・蒸すなどの調理方法を選ぶと、調理油の使用量を減らせます。

オリーブオイルなどの植物油

オリーブオイルには、不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸が多く含まれています。

ただし、オリーブオイルもほかの一般的な食用油と同じく、1gあたり約9kcalのエネルギーを持っています。調理に使用する際は、小さじなどで計量すると、使用量を把握しやすくなります。

肉・魚・大豆製品

減量中も筋肉量を維持するためには、必要なタンパク質を確保することが重要です。

鶏むね肉は皮を取り除くことで脂質量を減らせます。豚ヒレ肉やタラなどの白身魚も、比較的脂質の少ない食品です。豆腐や納豆などの大豆製品も、タンパク質の供給源になります。ただし、食品によって脂質量は異なります。

なお、腎臓病などでタンパク質の摂取制限が必要な方は、医師や管理栄養士の指示に従ってください。

脂質制限中に選びたい食品を示した図
Geminiで生成した画像を元に作成

脂質制限ダイエットを続けるコツ

脂質制限を継続するためには、日常生活に取り入れやすい方法を選ぶことがポイントです。食材や調理法の見直しに加え、外食時の選び方や食事記録などの工夫もあります。

脂質量を少しずつ減らす

食生活を一度に大きく変えると、負担が増えて継続が難しくなる場合があります。

まずは普段の食事を振り返り、揚げ物の回数を減らす、炒め油を控えるなど、見直せる部分から始めましょう。

調理法を変える

同じ食材でも、調理方法によって脂質量は異なります。

揚げ物や油を使った炒め物を、蒸し料理や茹で料理、網焼きなどに変更すると、調理に使用する油を減らせます。電子レンジや蒸し器を活用すれば、油を使わずに調理できる料理もあります。

外食やコンビニでの選び方を工夫する

外食では、揚げ物を中心とした定食の代わりに、焼き魚定食や刺身定食などを選ぶ方法があります。

コンビニエンスストアでは、おにぎりなどの主食に、サラダチキンなどの主菜、野菜を使った副菜を組み合わせることができます。

商品によって栄養成分は異なるため、エネルギーや脂質、食塩相当量などを表示で確認すると比較しやすくなります。

食事内容を記録して振り返る

日々の食事内容を把握するために、簡単な食事記録をつける方法もあります。

料理名やおおよその量、栄養成分表示に記載された数値などを記録すると、脂質を多く取りやすい食事の傾向を確認しやすくなります。

厳密な記録は必要なく、数日間の食事を振り返る方法でも構いません。負担になる場合は、記録する項目や期間を減らすこともできます。

脂質制限ダイエットの注意点

脂質を極端に減らしたり、食事全体の摂取量を過度に制限したりすると、健康に影響するおそれがあります。

ここでは、栄養不足やリバウンドの可能性、食事制限を始める前に相談が必要な人について解説します。

極端な制限による栄養不足

脂質はエネルギー源になるほか、細胞膜の構成や一部のホルモンの合成に関わり、脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収にも必要です。n-6系のリノール酸やn-3系のα-リノレン酸などの「必須脂肪酸」も、食事から取る必要があります。

脂質を極端に制限すると、こうした栄養が不足するおそれがあります。

無理な制限によるリバウンド

食事を極端に制限して短期間で大幅に体重を減らすと、筋肉量が減少する場合があります。また、体重の減少に伴い、エネルギー消費量も低下することがあります。

さらに、厳しい食事制限を続けることが難しく、以前の食生活に戻ることで体重が再び増加する場合もあります。

脂質制限を始める前に相談が必要な人

病気や健康状態によっては、減量を目的とした食事制限に注意が必要な場合があります。

特に、以下に該当する方は、自己判断で食事内容を大きく変更する前に、医師や管理栄養士に相談してください。

  • 糖尿病や腎臓病などの持病がある方: 病状や治療内容に応じた食事管理が必要になる場合があります。
  • 脂質異常症、膵炎、胆石症などで治療中の方: 病状によって適切な脂質の量や種類が異なります。
  • 妊娠中・授乳中の方: 必要なエネルギーや栄養素を十分に確保する必要があります。
  • 高齢の方: 過度な食事制限によって、筋肉量の減少や低栄養につながるおそれがあります。
  • 低体重(BMI18.5未満)の方: さらに減量すると、低栄養などの健康リスクが高まるおそれがあります。

肥満症で治療を受けている方は、肥満に伴う健康障害や治療内容などを考慮し、医師や管理栄養士と相談しながら食事管理を進めましょう。

脂質制限中に体調不良が起きた場合

食事制限中にめまいや立ちくらみ、強い倦怠感などが現れた場合は、無理に制限を続けず、医療機関に相談してください。これらの症状は食事量の不足などによって生じる場合もありますが、必ずしも食事制限が原因とは限りません。

短期間で体重が大きく減少した場合や、月経が止まるなどの変化が現れた場合にも、医師への相談が必要です。

まとめ

脂質制限ダイエットは、脂質の多い食品や調理油などを見直し、脂質の摂取量を調整する食事法です。

脂質は1gあたり約9kcalとエネルギーが高いため、摂取量を調整することで食事全体のエネルギーを減らすことにつながります。ただし、脂質を減らすだけで体重が減るわけではありません。

肥満症の治療では、体格や健康状態、肥満に伴う健康障害などに応じた食事管理が必要です。脂質の摂取量についても、医師や管理栄養士と相談しながら、治療方針に合わせて調整していきましょう。

参考資料

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監修

帝京大学ちば総合医療センター

伴 良行 先生

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