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【医師監修】ファスティングは痩せる?効果と注意点、健康的な減量法を解説

この記事でわかること
  1. ファスティングの効果
  2. 実践時の注意点
  3. 健康的な減量法

ファスティングとは?

ファスティングとは、一定の時間または日数、食べ物から摂取するエネルギーを制限する食事法の総称です。代表的な方法には、1日の食事を8時間以内に収める時間制限食、週2日だけ摂取エネルギーを減らす「5:2法」、1日おきに食事を制限する隔日断食などがあります。 完全に食べない方法だけでなく、時間帯や曜日を決めて食事量を抑える方法もファスティングに含まれます。

ファスティングによって、体重や血糖値などが改善する可能性が報告されています。一方、通常の食事で摂取エネルギーを減らす方法よりも、大幅に優れているとは限りません。体調を崩したり、食事を戻した後に体重が増えたりすることもあるため、期待できる変化と注意点の両方を理解することが大切です。

ファスティングによって、どのような変化が期待できる?

ファスティングによる体の変化には、比較的多くの研究があるものと、まだヒトでの効果が十分に確認されていないものがあります。

体重が減ることがある

食事を取る時間や日数を制限すると、結果として1日または1週間の摂取エネルギーが減り、体重が減ることがあります。ファスティングの研究では、数週間から数か月の実践によって体重が減少した例が報告されています。

一方で、ファスティングが毎日の食事量を調整する一般的な減量法よりも効果が高いとは限りません。2025年にSemnani-Azad氏らの研究グループは、世界各地で実施された99件の臨床試験データを統合して解析しました。その結果、隔日断食を除くファスティングと、毎日の食事量を少しずつ減らす一般的な減量法との間で、体重減少効果に明確な差は示されませんでした。なお、同じ解析において、隔日断食では一般的な減量法と比べて体重減少量が平均約1.3kg多いという結果でした。

脂肪がエネルギーとして使われやすくなる 

食事を取らない時間が続くと、体は肝臓などに蓄えられたグリコーゲンを利用します。その後、脂肪を分解してエネルギーとして利用する割合が高くなります。ただし、空腹時間を長くするほど、体脂肪が効率よく減ると単純に考えることはできません。体脂肪を減らすには、無理のない範囲で摂取エネルギーを調整し、それを継続することが基本です。

生活習慣病に関わる指標が改善することがある

ファスティングによって体重が減ると、血圧、血糖値、血中脂質など、生活習慣病に関わる指標が改善する可能性があります。ただし、ファスティングによって心筋梗塞や脳卒中などの病気そのものを予防できるかについては、長期間の研究による検証が十分ではありません。

血糖値やインスリンへの影響

食事をしていない時間は、食事由来の糖が体内に入らないため、食後のような血糖値の上昇やインスリンの分泌は起こりません。時間制限食などによって、空腹時血糖値やインスリンの働きに関わる指標が改善したとする報告もあります。

一方、糖尿病のある方に対する長期的な効果については、まだ研究が続いています。体重減少が得られたことによる影響と、食事時間を制限したこと自体の影響を分けて判断するのが難しい場合もあります。

また、インスリン製剤や血糖値を下げる薬を使用している方が自己判断で食事を抜くと、低血糖につながることがあります。糖尿病で治療中の方は、ファスティングを始める前に必ず主治医に相談してください。

オートファジーとの関係

オートファジーとは、細胞内の不要になったタンパク質や構造物を分解し、再利用する仕組みです。栄養が不足した状態で活性化することが確認されていますが、その多くは細胞やマウスなどの動物を用いた研究によるものです。

ファスティングについて、「オートファジーによって若返る」「病気を予防できる」と説明されることがあります。しかし、ヒトが何時間食事を取らなければ、どの臓器でどの程度オートファジーが活性化するのかは、明確になっていません。

「16時間空腹にすればオートファジーが働く」といった基準にも、十分な医学的根拠は確認されていません。オートファジーを目的として、自己判断で長時間の断食を行うことは避けましょう。

ファスティングでは、どのような変化に注意が必要?

食事量を大きく減らすと、体脂肪だけでなく、筋肉や体内の水分も減ることがあります。仕事や日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、無理に続けないことが大切です。

ファスティングの注意点
Geminiで生成した画像を元に作成

筋肉量が減ることがある

必要なエネルギーやタンパク質を食事から取れない状態が続くと、体は筋肉のタンパク質もエネルギー源として利用します。そのため、減少した体重のすべてが体脂肪ではなく、筋肉などの除脂肪量が含まれることがあります。

筋肉量が減ると、安静時に消費するエネルギー量が低下する要因になります。特に、短期間で大幅な減量を目指す方法や、運動をせずに食事だけを極端に減らす方法では、筋肉を維持しにくくなる可能性があります。

元の食事に戻すと体重が増える場合がある

ファスティングを終えた後に以前と同じ食事へ戻すと、減少した体重が戻ることがあります。また、減量後には、食欲やエネルギー消費に関わる身体の仕組みが変化し、体重を元に戻そうとする反応が起こることがあります。

頭痛やめまい、疲労感が現れる場合がある

ファスティング中には、空腹感、頭痛、めまい、疲労感、集中力の低下、便秘などが現れることがあります。また、食事から得られる水分が減ることで脱水状態になりやすくなるため、意識的な水分補給が必要です。

初めてファスティングを行う日に、長時間の運転や強度の高い運動、重要な仕事を予定することは避けたほうがよいでしょう。ふらつき、冷や汗、動悸、手の震え、意識がぼんやりするといった症状がある場合は中止してください。体調が回復しない場合は、医療機関に相談しましょう。

強い空腹が過食につながることがある

食事を長時間我慢することがストレスとなり、食事を取れる時間に食欲が強まることがあります。

ファスティングが生活に合うかどうかには、個人差があります。空腹によって仕事に集中できない、食べ物のことが頭から離れない、食後に罪悪感を抱くといった変化がある場合は、方法を見直しましょう。

減量に伴って消費エネルギーが低下することがある

体重が減ると、体を維持するために必要なエネルギー量も少なくなります。強いエネルギー制限が続くと、無意識の活動量が減るなど、体が消費エネルギーを抑える方向に変化することもあります。

さらに、筋肉量の減少、活動量の低下、空腹による過食が重なると、減量した体重を維持しにくくなる可能性があります。

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ファスティングが適さない人

妊娠中・授乳中の方、成長期の子ども、低体重の方、摂食障害がある方やその経験がある方は、自己判断でファスティングを行わないでください。高齢の方や筋肉量が少ない方も、低栄養や筋力低下に注意が必要です。

糖尿病、腎臓病、肝臓病、心臓病などで治療中の方や、食事量によって作用が変わる薬を服用している方は、事前に主治医へ相談してください。糖尿病治療薬を使用している方では、低血糖を防ぐために、服薬量や食事時間の調整が必要になることがあります。

発熱、下痢、嘔吐などで体調を崩しているときも、ファスティングを行う時期ではありません。健康な方であっても、数日間ほとんど食べない方法は、医療者の管理なしに行わないようにしましょう。

結局、ファスティングは減量に役立つの?

ファスティングは、食事を取る時間を決めることで摂取エネルギーを抑えやすくなる方には、減量方法の一つとなります。一方、食べられる時間に食事量が増える方や、空腹によって体調や仕事に影響が出る方には適した方法とはいえません。

研究では、一般的なエネルギー制限と比べて、体重減少の程度に大きな差はないとされています。重要なのは「何時間食べなかったか」よりも、必要な栄養を取りながら、長期的に摂取エネルギーを調整できたかどうかです。

実践する場合は、いきなり数日間食事を抜くのではなく、夜遅い食事や間食を見直し、夕食から翌朝までの時間を整えることから始めるのが現実的です。食事の時間を調整することで、かえって食べすぎたり、体調が悪くなったりする場合は、無理に続ける必要はありません。

健康的に体重を減らし、維持するには

長期的な体重管理では、短期間だけ食事を我慢するより、食事、運動、睡眠などの生活習慣を継続できる形に整えることが大切です。日本肥満学会のガイドラインなどでは、肥満症やメタボリックシンドロームに伴う症状(高血圧、糖尿病など)の改善には、食事療法と運動療法によって現在の体重の3~5%程度を減らし、維持することが重要であるとしています。

長期的な体重管理のポイント
Geminiで生成した画像を元に作成

食事では、主食、主菜、副菜を組み合わせ、タンパク質や野菜を確保しながら、菓子、甘い飲料、飲酒、夜遅い食事などを見直します。食事回数を減らすだけでなく、外食や総菜を選ぶ際の内容を工夫しましょう。

運動では、歩行などの有酸素運動に加えて、筋力トレーニングを取り入れることで、減量中の筋力維持が期待できます。最初から高い目標を立てず、歩数や食事、体重を記録しながら、続けられる行動を少しずつ増やしましょう。

睡眠不足が続くと、食欲や食行動に影響し、体重管理が難しくなることがあります。起床時刻と就寝時刻をなるべく一定にし、夜遅い食事や飲酒、就寝前のスマートフォンの使用を見直すなど、十分な睡眠を確保できる生活リズムを整えましょう。

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医療のサポートが必要な場合も

日本では、BMIが25以上で、肥満に関連する健康障害がある場合などに「肥満症」と診断されます。肥満症は、見た目や体重だけの問題ではなく、医学的な減量を必要とする病気です。特に、高血圧、2型糖尿病、脂質異常症、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、膝や腰の痛み、月経異常などがある場合は、内科や肥満症を扱う医療機関へ相談する必要があります。

医療機関では、体の状態、合併症、服用している薬、生活環境などを確認したうえで、食事療法、運動療法、行動療法を行います。必要に応じて、薬物療法や外科療法が検討されることもあります。

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まとめ

ファスティングは、食事時間を制限することで摂取エネルギーが減れば、体重や血糖値などの改善につながる可能性があります。ただし、一般的なエネルギー制限より明らかに減量効果が高い方法であるとはいえません。また、体重が短期間で減っても、全てが体脂肪の減少とは限りません。

極端なファスティングは、筋肉量の減少、頭痛や疲労感、過食、リバウンドにつながる場合があります。短期間で体を「リセット」しようとするのではなく、食事の内容や量、運動、睡眠を無理なく整えることが、長期的な体重管理を目指しましょう。

参考資料

監修

帝京大学ちば総合医療センター

伴 良行 先生

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