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肥満症のための正しく「減量」する方法

放っておかないで!「肥満症」は体からの大事なサイン

「最近ちょっと太ったかな」

そんな軽い気持ちで見逃されがちなのが肥満です。しかし、肥満症とは、単に体重が増えたというだけではありません。肥満症とは肥満に加えて、高血圧や糖尿病、脂質異常症、痛風などの肥満に関わる健康トラブルを発症し、体重を減らす必要がある状態のことを指します。さらに、肥満症が関係する病気は変形性関節症や睡眠時無呼吸症候群、月経異常や不妊症など、日常生活に影響するものから、心不全や突然死といった命に関わるものまでとても幅広いのです。だからこそ、「そのうち痩せればいいや」と放置するのはとても危険なのです。

自己流のダイエット、実は落とし穴だらけ?

肥満症の治療では、まず減量が大切になります。ただし、やみくもに体重を落とせば良いというわけではありません。

「ふだん食べている量を減らせばすぐ痩せるはず」

こんなイメージを持ちやすいですが、痩せる方法を間違えるとせっかくの努力が無駄になるどころか、逆効果になることもあるのです。

どこを痩せるかが重要!狙うべきは「内臓脂肪」

肥満に関わる病気を引き起こす原因と考えられているのが内臓脂肪の蓄積です。つまり、健康のために必要なのは「体重を減らすこと」ではなく「内臓脂肪を減らすこと」。毎日測る体重計の数字に一喜一憂しがちですが、減らしたい本丸は「内臓脂肪」なのです。簡単に内臓脂肪を測る方法を紹介します。おへその高さの腹囲(ウエスト周囲)を測ってみてください。男性では85cm以上、女性では90cm以上で内臓脂肪が多く蓄積し、健康トラブルのリスクが高いといわれています。もしも、あなたがこれに当てはまったとしたら、ぜひ正しい「痩せ方」を学んで最初の一歩をあゆみ始めてください。

食事と運動は「セット」

肥満症の治療をするうえで食事を見直すことが基本です。しかし、食事制限だけに頼ってしまうと筋肉まで減ってしまうことがあります。特に食事の量を減らし体がエネルギー不足の状態になると、脂肪より先に筋肉を使ってしまうため、体重は減っても実は「筋肉ばかり減っていた」なんてこともありえます。筋肉が減れば、体力が低下し転倒のリスクが増えるなど、かえって健康を損ねることにもつながってしまいます。だからこそ、食事だけでなく運動も欠かせないのです。必ず体重を減らすためには食事と運動はセットで考えてください。

運動は「今より10分」からでOK、食事のコツは「タンパク質をしっかり」

運動習慣の理想は1日30分以上のウォーキング(有酸素運動)、余力があれば筋力トレーニング(レジスタンス運動)を加えると良いと言われています。と言われても、急に自身のライフスタイルを変えるのは難しいですよね。そんな方には「今より毎日10分多く体を動かす」「座っている時間を減らす」という小さなステップから始めるのがおすすめです。これだけでも十分効果があります。

食事量を減らすときに意識したいのは、筋肉を守るためのタンパク質はしっかり取ること。鶏のささみ、大豆製品、卵など、タンパク質が多い食品を取り入れながら全体の食事量を調整すると、筋肉を保ちながら内臓脂肪だけを落としやすくなります。

それでも減量が難しいときは…

このように生活習慣を整えても体重が落ちにくい場合は、薬物治療や外科治療を勧められることもあります。これらの治療効果は高く切れ味が良いため、多くの方がメリットを実感しています。しかし、根本にある治療はあくまで「生活習慣の改善」です。今回学んだ正しい痩せ方を実践すれば、リバウンドや病気の再発を防ぐことにもつながります。

最後に

一般的な正しい「減量」の方法についてお話をさせていただきました。具体的に取り組む際は、あなたの病気をよく知っている主治医の先生と相談しながら、自分に合った最適な”減量”する方法を見つけてください。このお話が、あなたの「正しい減量」への第一歩になれたら嬉しいです。

医師プロフィール

濵 知明 先生
東京医科大学病院 循環器内科講師 / 心臓リハビリテーションセンター副センター長

濵 知明 先生

2008年福井大学医学部医学科を卒業。諏訪赤十字病院にて初期研修、内科後期研修、国立循環器病研究センター心臓血管内科、東海大学医学部付属八王子病院循環器内科を経て2025年から現職。2021年から米国メイヨークリニックへ留学し、現在は同クリニック共同研究員。循環器専門医、総合内科専門医、老年科専門医、日本リハビリテーション栄養学会理事、日本臨床運動療法学会評議員、日本腎臓リハビリテーション学会代議員等。

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